超高齢熟女バーでの笑いと涙のエンターテインメント
目次
「その女、ジルバ」とは
フジテレビ 土曜 23:30 2021年1月9日~
原作:有間しのぶ「その女、ジルバ」
脚本:吉田紀子
Dr.コトー診療所、忠臣蔵~四十八人目の忠臣、片想い、涙そうそう、ハナミズキ
「その女、ジルバ」キャスト
笛吹新 池脇千鶴
浜田スミレ 江口のりこ
村木みか 真飛聖
前園真琴 山崎樹範
大田原真知(チーママ) 中尾ミエ
七子(ナマコ) 久本雅美
菊子(ひなぎく) 草村礼子
花富屋敷衿子(エリー) 中田喜子
蛇ノ目幸吉(マスター) 品川徹
久慈きら子(くじらママ) 草笛光子
「その女、ジルバ」第1話 捨てていいのは操と過去だけ
笛吹新(池脇千鶴)40歳は、水田の広がる故郷の駅に降りる。
2019年秋前の回想から始まる。
40歳の誕生日。一人暮らしのアパートで目覚め誕生日を祝うメールをネット通販から40通受け取る。
社員寮から職場に向かう途中、道端でうずくまっていたヨレヨレの老婆(草笛光子)に気づく。都会の片隅で助ける者もいない。まるで40年後の自分を見た気がしてしまい、声をかけると、水を求められ栄養御リンクを買い与える。手元には4000円しかない。
職場で出向仲間の村木みか(真飛聖)と朝礼に出ていると、倉庫部門のリーダー・浜田スミレ(江口のりこ)から新任の課長が紹介される。
新課長は、かつて新との婚約を破棄した男・前園真琴(山崎樹範)だった。
前園は「俺たちやっぱり、運命の糸で結ばれているのかな。こうやって再び出会ってしまうなんて」と能天気に言う。
帰りがけ全財産でくじを買うが200円しか当たらない。
新は風に飛ばされたくじを追っていると、一軒のレトロなバー『OLD JACK&ROSE』の張り紙を見つける。
「ホステス求む!時給2000円 未経験者歓迎 年齢40歳以上」
「40歳以上なんて絶対ウソだ。ワナに決まってる。だけど今ここで新しい何かをしないと、私の人生を、嫌いになっちゃう」と言いつつ新は思い切って、店の扉を開ける。
中を覗くと高齢の3人のホステスがダンスの練習をしている。
CM
ロリコンは受け付けないと言れ、「今日から40だ」と言うも認められない。
ママ・きら子が出勤する。きら子は、朝、新が助けた老婆だった。その場で採用され「あらら」と源氏名を与えらえる。
化粧と衣装を与えられ働きだす。
最初の若い客は新をみて「いつからキャバクラになったの」と言う。「ギャル」「ピチピチ」「40なんて若い」と言われ嬉しくなる。
CM
ステージでは老婆3人でカンカンを踊り、喝さいを浴びる。なんて素敵な夜。
CM
店が閉まり履歴書を書くと、全員にハッピーバースデイの歌をプレゼントされる。うれしくて涙きながら感謝を述べる。
家に帰り、あったことが信じられない。外し忘れたイアリングを鏡の中に発見し現実と確信する。
きら子とマスターが開店したころを懐かしみながら会話する。
CM
職場でランチしながら昨夜「ギャル」と言われた話をする。同僚はホストクラブにはまったと勘違いする。
「その女、ジルバ」第2話 ダンスが踊れない!
超高齢熟女バー『OLD JACK&ROSE』で見習いホステス“アララ”として働き出した新(池脇千鶴)。
リストラで配送センターに出向した新(池脇千鶴)は、同じ境遇の同僚の村木みか(真飛聖)から不満を聞かされても落ち込まない。
マスター(品川徹)からバーの先代ママはジルバと呼ばれ満州から引き揚げ者で、現在のくじらママ(草笛光子)は2代目と話される。
熟女ホステスたちの明るくポジティブな姿に感化され、昼間の職場でも前向きで楽しそうな新の姿に、スミレ(江口のりこ) やみからは「まさか…ホスト⁉」と勘違いする。
店では、くじらママやエリー(中田喜子)、ナマコ(久本雅美)、ひなぎく(草村礼子)ら熟女ホステスの先輩らとともに慣れないながらもまずまずの接客をする。
おふくろの味の突き出しをゴボウで作り、客に出すと好評。お米と一緒に食べたいと言われ、おにぎりを作る。「ギャル。ピチピチ。」と言われ快感。
『OLD JACK&ROSE』で、恒例のダンスタイムが始まる。エリーは客を誘い踊る。ナマコ、ひなぎく、ママも客に誘われ踊りだす。
ダンス経験のない新に常連客の花山(芋洗坂係長)が誘う。おそるおそる踊り始めた新だったが、相撲のようになりよろけて客の膝の上に座りこんでしまう。
CM
運動音痴の新。女は40からと励まされ、見かねたマスターの幸吉(品川徹)は、ダンスの特訓を始める。
朝、職場で体操。とランチを食べる。昨夜、新の後をつけたスミレはスマホの写真をみかに見せてホストクラブとに通っていると話す。新は早退を元カレの前園(山崎樹範)に届けると「男遊び?・・今の君では」と言われ憤慨する。
CM
店ではマスターの孫・マイカがいて、ダンスの相手をする。マスターがステップを説明し、それを4人のホステスが見ている。バーは昔はダンスホールだった。彼女らの昔のアルバムを見る。マスターとママは戦争孤児だった。
マスターから直接思いの深いジルバを教わる。リードがうまく、身を委ねていると楽しく踊れた。
前園は退職勧告者一覧表を見る。同期の村木が部屋に入ってくる。前園は新がホストに嵌まっているか心配だと伝える。
スミレは新が退職勧告者の一人であることを発見する。
CM
新はダンスが気に入り職場でも背筋を伸ばし、ステップを踏み絶好調。
常連客の花山を相手に軽快にダンスができるようになる。アパレル会社で接客していた時の楽しさを振り返る。
CM
マスターがホステス一人一人に月給を渡す。新は手渡しが初めてだったので感激して涙を流す。
マスターの回想:ジルバママからダンスを教わった初恋のシーン。
朝、新しく買った服を着て出勤すると、周りが眼を見張る。
スミレは前園と新のリストラについて3人での話合いを持ち掛ける。
格言:踊って、転んで、笑って80年。(くじらママ)
「その女、ジルバ」第3話 熟女の苦い過去
新(池脇千鶴)は突然、チームリーダーのスミレ(江口のりこ)に前園(山崎樹範)と呼び出される。みか(真飛聖)も見守る中、ホストにハマっている新が「ホスト三昧で前園からリストラ対象になっていること」をどう考えているのか、と問い詰める。
ホ…ホスト?リストラ??
身に覚えのないことで唖然とする新。熱くなっているスミレの剣幕に、ホスト通いではなく熟女バーでホステスのバイトをしていることを白状する。
スミレは副業を辞めさせようとするが、新は店に来るように誘う。
『OLD JACK&ROSE』の前で、“ホステス募集40歳以上”の貼り紙をしげしげ眺める、みかとスミレの姿があった。2人とも口ではあれこれ言いながらも、新のバイト先が気になっていた。
「いらっしゃいませ~~…あ!!」
ドレスにウィッグ、バッチリメイク。昼間とは別人の“アララ”の姿に衝撃を受ける2人。
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居心地悪そうにしながらもビールを注文する2人。ナマコ(久本雅美)と新が接客する。
エリー(中田喜子)が姿を見せる。いつもは明るいキャラクターで店を盛り上げるエリーの様子がどうもおかしい。
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ナマコは「エリーは、20代の時、散々貢いだ挙句に捨てられた詐欺師のような男に40年ぶりに再会、しかも同じ高齢者団地に引っ越してきた」と説明する。
エリーは相手が自分に気付かなかったのに不満を漏らし、男に騙され家を出たいきさつを話す。新は「君なら一人で生きていける」と結婚寸前に言われことがあり、同情する。客全員が共感する。
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エリーは声をかけた方がよいか、くじらママに相談すると忘れなさいと助言される。
翌日職場で二日酔いのスミレにシジミ汁を持っていく。
エリーは団地で詐欺師が現れたと知らされる。エリーを尋ねて店にくる。過去を詫び、エリーと、よりを戻そうと手を握るのを見て、くじらママは2度とエリーに近づかないようにとキッパリと言って返らす。
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新はエリーを自宅に招く。エリーは、両親に結婚詐欺で借金を負わせたことを後悔し、詐欺師は花富屋敷という旧姓を名乗っていたことを話す。ギックリ腰で3日そのまま新が面倒をみる。
エリーは警察に通報して男はヨレヨレ詐欺で逮捕されたことをニュースで知る。
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エリーの常連客・浅山が来店し、全快祝いが始まる。エリーは浅山と踊る。
みかはスミレに仕事を認めてもらっていることに感謝する。二人は着飾ってバーに行きエリーにプレゼント(湿布)を渡す。
その女、ジルバ 第4話 弟が上京!チーママが初代ジルバを語る
秘密にしていた「OLD JACK&ROSE」でのバイトが職場にバレてしまった新(池脇千鶴)だったが、その後、店に誘ったことがきっかけとなりスミレ(江口のりこ)、みか(真飛聖)と同い年の友情が芽生える。
しかし職場のリストラ計画は水面下で進行している。
店では毎年ジルバママの命日に行われるパーティの準備が進んでいた。新はスミレとみかに招待券を渡す。
新の携帯に弟・光(金井浩人)から連絡が入る。福島・会津の町おこしイベントで東京に来ていると聞き、あわてる。実家には、バーでバイトしていることを知らせていなかった。とりあえず泊っているホテルで会って食事する約束をする。
福島の会津は、ジルバの出身地だった。ジルバの両親はブラジルに移民していた。ジルバは2010年に亡くなった。弟は2011年の震災で被災し、8年前から両親と暮らしていた。
みかは母の期待に応えられず田舎の島根に帰れないでいる。スミレは淡路島出身だ。
光は土産をジルバの縁で店に持参してくる。新は光と思わぬ形であっさり再会する。弟は2011年の震災で被災し、8年前から両親と暮らしていた。
みかは母の期待に応えられず田舎の島根に帰れないでいる。スミレは淡路島出身だ。
スミレは会社が希望退職を募るが阻止すると話す。
『ジルバをしのぶ会 VOL9』の日3人揃って店に行こうとするとき、前園にスミレが呼び止められ、残った二人は重い気持ちで店に行く。
宴が盛大に始まった。新もこの日は客の1人として会を楽しむことに。常連客の他に、テレビで世の中をバサバサ切る直木賞作家・大田原真知(中尾ミエ)も姿を見せる。彼女は、かつて「チーママ」として働いていた元スケバンの出世頭。
前園はスミレがパワハラだと言う声が出ていると知らせる。
店では名物ラインダンスが始まる。スミレは遅れて店に来る。弟も加わりテーブルを囲んでチーママが初代ママ・ジルバのブラジルからの苦労話を聞く。結婚したジルバは日中戦争時、帰国船で子供を感染症で失い、戦後90才で亡くなるまで60年間この店で働いた。新はジルバに似ていると言う。
皆で踊りあかす。帰り際、スミレはナマコに私も親がいないと打ち明ける。
光は電車に乗り遅れ、翌朝「東京が住みにくくなったら、いつでも田舎に帰ってきていいんだよ」と新に言い帰る。
新は会津の母に電話する。夜に飲食店でバイトをしていることを伝える。母の声を聴いて安心する。
スミレは夜倉庫内を退職届を持ち歩き、泣きくずれる。
その女、ジルバ 第5話 スミレにパワハラ疑惑浮上!
退職願を出したとスミレ(江口のりこ)に突然告げられ、仰天する新(池脇千鶴)。みか(真飛聖)は前園(山崎樹範)の仕業に違いないと食ってかかる。しかしスミレは「もう決めたことだから」と多くを語らずその場を収める。
「OLD JACK&ROSE」では、一同がスミレの話を聞いていた。会社は、スミレにパワハラ疑惑があることを問題視しているのだという。そんなことあるはずが・・と言いたいところだが、少し前まではスミレから小言やイヤミを言われていた身としては、コメントしづらい新とみかだった。
新は前園と付き合い始めたいきさつを話していると、前園が来店する。
CM
閉店後出入り口で待ち伏せしていた前園。新にスミレの退職させたことを、後悔している。普段はひょうひょうとしている前園も、中間管理職という立場に苦しんでいた。
40になり、それぞれの前に訪れる厳しい現実が突き付けられる。マスターは前園は、新に背中を押してもらいたかったのだと言う。
CM
ナマコが副業のヤクルトおばさんとして会社にスミレを尋ねる。スミレを心配するのは、家族がいないのがナマコと同じだからだ。スミレに店に遊びに来てと伝える。
CM
みかが退職届を出す。スミレと新が引き留めるが意思は固い。新は前園を責める。仲間が嘆願書を持ってくる。前園はスミレの退職届を提出していなかった。スミレはリストラを免れたが、みかは退職した。
みかの退職祝いが、BAR「OLD JACK&ROSE」で開かれる。ウサギの耳のついた部屋着を餞別で貰う。皆から40はまだ序の口だと励まされる。
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みかはシジミの島根に帰ると言ってステージでダンスをする。
3人だけの送別会で、みかは田舎に帰ってお母さんと一緒に暮らしたいと思った。
スミレは40になって友達ができて嬉しいと言うと全員同感する。
くじらママは新がリストラになったら、「専属になったら」と言う。
その女、ジルバ 第6話 ロマンチックは突然に
年末の繁忙期になり、新(池脇千鶴)が働く倉庫は大忙し。みか(真飛聖)が辞めて、シジュー3人娘の1人が欠けてしまった感傷に浸る間もなく、新とスミレ(江口のりこ)は慌ただしい毎日を送っていた。
遅めの昼休みを取りながら、今は島根の実家でのんびり暮らすみかに思いをはせる2人。その手には、みかが送ってくれた出雲大社のお守りがあった。 出雲大社といえば、そう、縁結びの神様。恋バナ的に理想のタイプの男性を語り合う。
BAR「OLD JACK&ROSE」では、毎年恒例のクリスマスパーティーの準備が進んでいた。くじらママ(草笛光子)や、ナマコ(久本雅美)、ひなぎく(草村礼子)らがツリーを飾っている中で、エリー(中田喜子)は大切な常連客・浅山へのプレゼントのセーターの編み物に悪戦苦闘。不器用なエリーを先輩ホステスたちが手助けしている、そんな姿も年末の風物詩だ。
客の中では、石動(水澤紳吾)がなぜかソワソワ。どうやら意中の相手に告白の準備。女性が喜ぶプレゼントは?と聞かれ花とこたえる。
「え。私に?マジ。ウソだ」
新からクリスマスパーティー招待のチラシをもらい、独り身に慣れ切ったスミレは思わず感動。新はウキウキのスミレの様子を我がことのようにうれしく思い、少し前まで落ち込んでいた自分が立ち直ったことを実感する。
クリスマスパーティ当日。新はタヌキのぬいぐるみを着せられる。
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テーブルにはクリスマス料理やケーキが並び、ホステスたちや幸吉(品川徹)がクリスマス仕様のコスプレで客を迎える。常連客には妻や息子と来るのもいる。ちょっとオシャレしたスミレや、石動の姿も。常連客3人のラインダンスが始まる。石動はスミレが隣にいてに新に用意した花をプレゼントできない。
そして突然店を訪れた、大きな花束を持った男が現れ、新に渡す。 石動はスミレに花束を渡し、家まで送る。
CM
スミレは石動に好意を持ち、ハイヒールを脱ぎ抱き合う。閉店後、新はジルバママのバングルを発見する。ナマコからマスターとジルバは付き合っていたことがあったことを知り、ジルバの部屋を案内してもらう。
スミレは「石動さんと恋をしたみたい」と新に報告する。
大晦日、弟からカフェをオープンする連絡を受け、帰省時期をずらし店の掃除を手伝う。
くじらママは神戸の息子に会いに行く。マスターと飲み交わし、お互いに感謝を言い合う。
その女、ジルバ 第7話 ここは私のふるさと
大晦日、BAR「OLD JACK&ROSE」で大掃除をしていた新(池脇千鶴)の前に現れた白浜(竹財輝之助)。クリスマスの夜、閉店間際に店を訪れ、新に花束を渡して立ち去ったあのイケメンだった。
「ジルバは死んだよ、9年前にな、何しに来た。ジルバが追い返した。」と幸吉(品川徹)が言う。
白浜はジルバの写真に手を合わせ語り始める。
ブラジル育ちの白浜は、現地で出会ったある男に「日本に戻ったらジルバに会いに行け」と言われ、かつてジルバを訪ねた。しかし画太郎を語るとジルバは突然取り乱し、白浜を追い返したのだ。
「どうしてあの時…あんなに」白浜が話したその時、店にふらりと真知(中尾ミエ)が現れる。仕事が終わったので幸吉と一杯やろうと立ち寄ったのだという。
白浜に尋ねられるがままに真知が語り始めたジルバの過去。
画太郎は「勝ち組」の生き残りで戦後ブラジルで日本が勝ったと言うデマを信じていた。死んだ子供の父でジルバから金を巻き上げていた。
この話を本に書きたいと言う白浜を真知は説教する。白浜は、故郷ブラジルに帰ると話す。
年が変わり1月、新は故郷・福島へ帰る。弟・光(金井浩人)のカフェのオープンを応援するためだ。大盛況の店内で、早速手伝い始める新。
回想:東北大震災で家を失った弟が実家の会津に帰り、荒れていた。
新は光がよく立ち直ったと喜ぶ。光は過去、新に素直に接していなかったことを詫びる。
新が実家に帰ってきたのには、もう一つ目的があった。
職場の異動、バーでのバイトのことを両親に言えずに逃げてきたことに、決着をつけるためだ。
会社を辞めて水商売一本でいくと話すと、母は大声で叱る。光は馬鹿正直に言わない方がよかったと言う。父は母に「見栄とか体裁よりも子供のためを考えろ」と言う。
BAR「OLD JACK&ROSE」が始まり、マスターは新が「この店一本にしたいと」言っているとくじらママに相談する。くじらママは「あの子は地獄をみたことないからね。だけどは女は強くて化けるわよ」と言う。
新は日干ししてくれた布団で寝る。亡くなった祖母が現れ、「日干しでなく布団乾燥機を使ったのよ、私は新を応援している」と言う。
父(大和田獏)と飲みながら店の人たちに救われたことを話す。父は元気そうな新をみて喜び「反対しない。うまくいかなかったらかえってこ」と言う。
会社に戻るとスミレは恋する女になっていた。スミレは施設育ちで正月は今まで寂しかったと打ち明ける。
新は「私の居場所・故郷はOLD JACK&ROSE」と呟く。店のママとマスターに「この店の子供にしてもらえませんか」と頼むと「30年居れる覚悟はありますか」と言われるが、最後には承諾してもらう。
その女、ジルバ 第8話
ついに会社を辞めて「OLD JACK&ROSE」での仕事一本に絞る決意をした新(池脇千鶴)。
退職届を提出し、バーでの仕事にひときわ気合が入る新だったが、前園(山崎樹範)は心配顔。
スミレ(江口のりこ)が妊娠する。新はおめでとうと言い、恋相手の石動(水澤紳吾)も喜んでくれている。
会社に産休を申請し、体のことから事務部門に回される。
新は退社を申し出る。前園から「社宅、どうしますか?」と、言われ初めて、会社を辞めたら社宅にはいられないということに気づく。もう後には戻れない・・改めてその選択の重さに思い至る。
新の住居問題は、幸吉(品川徹)がバーの2階のジルバの部屋の隣に2万で住むことで解決する。
浮かれモードのスミレを微笑ましく見ていた新だったが、夜になるとスミレはどんよりした表情でバーに現れる。
CM
スミレはバナナジュースを飲みながら、出張している恋相手の石動と連絡が取れないという。まあそれくらいは、とつい思ってしまう新をよそに、生まれて初めての恋に燃えるスミレは気が気ではない。
携帯を無くして連絡が取れなかった石動が戻ってくる。
石動は路上で結婚指輪をスミレに渡しプロポーズする。スミレは「こんなところで言うな」と言い、受け取らず走り去る。
スミレは石動との結婚を止めシングルマザーになると言う。
新は意地を張るスミレに素直になれと言う。
CM
新はジルバの部屋に引っ越す。くじらママは「夜中にジルバの幽霊が出る。マスターはジルバに恋していた」と語る。
くじらママはスミレを呼び、「誰でも幸せになれる権利を持っている。人を信じて飛び込め」と泣きながら抱きかかえる。
回想:ジルバがくじらママに「辛いことがあっても生まれ変わればいい」と言って抱きかかえる。
スミレは仲直りして「OLD JACK&ROSE」で結婚式を挙げる。
新が司会。「純粋なスミレの機嫌が悪くなったときは、これをあげると絶対落ち着きますから」と言ってバナナを見せる。
スミレは私たち内気だからと言って二人でノリノリのロックを歌う。
それを見ていたくじらママは「人はもっと寄り添った方がいい」と言いながら、グラスを床に落とし倒れる。新たちは驚いて救急車を呼ぶ。
その女、ジルバ 第9話
スミレ(江口のりこ)の結婚パーティの夜、突然きら子(草笛光子)が倒れ、「OLD JACK&ROSE」は騒然。検査の結果、ただの飲みすぎだとわかり胸をなでおろす新(池脇千鶴)たちだったが、腰を強く打っていたため、念のため店の2階にあるジルバの部屋で養生、新がしばらく看病することになる。
翌日からなぜかエリー(中田喜子)、ナマコ(久本雅美)、ひなぎく(草村礼子)が相次いで体の不調を訴え、店を休む。
このままでは、新と幸吉(品川徹)の2人だけで店を開けざるをえなくなる。
そんなピンチの中、颯爽とチーママ(中尾ミエ)が現れ、マイカも加わり店は盛り上がる。
くじらママはチーママに店を乗っ取られると不安を漏らす。
チーママは天の岩戸作戦を実行する。
新以外誰も見舞いにやってこない状況に少しすね気味のきら子だったが、部屋に顔を出した幸吉にポツリと告げる。
「思い出すわね、ジルバの最期」マスターはジルバは最後に「さよなら。すべてがうまくいきますように」と言った。ジルバに付き添ったみたいにしばらくそばにいてと頼む。
ジルバのバングルをチーママは託されていた。ジルバは幸吉と自分の骨をバングルと一緒にブラジルの墓地に埋めるように頼まれていた。
きら子が夜中に夢を見てうなされる。
CM
きら子のために新は花を買う。幸吉が「花売り娘」の歌を歌うと、きら子は昔の悲惨な状況を思い出し考え込む。
CM
きら子は新に「終戦後花売りをしていたが、ヤクザに目をつけられ、身体を売っていた。そこから逃げ出した後、ジルバが助けてくれた」と懺悔めいた話をする。新はきら子は悪くないと言って涙を流して抱き合う。
CM
きら子は復活して店に出る。ナマコ、エリー、ひなぎくも店に出る。チーママの天の岩戸作戦は全員復活で成功した。
その女、ジルバ 第10話(終) いよいよフィナーレ
2020年10月。世の中の状況が一変、あらゆる飲食店が窮地に陥る中、「OLD JACK&ROSE」もまた、客の足が途絶え静まり返っていた。
新(池脇千鶴)は41歳の誕生日を迎えた。店では、きら子(草笛光子)やエリー(中田喜子)らおなじみのメンバーがささやかに誕生パーティーを開く。
新がこの店で働き始めて1年。「こんな時なのに…」と恐縮する新に、ナマコ(久本雅美)やひなぎく(草村礼子)らはこんな時だからこそ盛り上がりたいと本音をこぼす。皆が、出口の見えない閉塞感に限界を感じていたのだ。
その時、幸吉(品川徹)がゆっくり口を開き「この店を閉めることにした」と宣言する。
新は反対するが聞き入れられない。そのとき、前園からスミレ(江口のりこ)が陣痛を起こしたとバーに来る。石動もバーに来る。
病室のスミレからテレビ電話が入り、陣痛・出産の映像を皆で見て励ます。
マスターは新たにジルバのバングルを自分の墓に埋めてくれと頼む。
OLD JACK&ROSEは閉店し、正装したホステスに退職金が配られる。
CM
マスターはくじらママとダンスをしながら、ジルバをブラジルに帰すことができなったのを悔やむ。
新は店を去り、故郷の福島へ戻る。家族に暖かく迎えられる。
腑抜けのようにぼんやりした日を過ごす。
マスターから白浜(竹財輝之助)が出した郵便物が届く。ジルバの義兄・画太郎の消息を伝えていた。画太郎は日本に帰っりたがっていたが、93歳でブラジルで亡くなっていた。ジルバ(ちはま)から金をだまし取っていたが、ジルバが日本に帰ったことを誇りに思っていた。
新は店に戻ることを決心する。
新はJACK&ROSEに全員を呼び寄せ、手紙を読む。
新は、客が来なくても店を続けると宣言する。
「ジルバの店だから」
X年後:
スミレは石動と女の子を育てている。
OLD JACK&ROSEでは、くじらママの90歳の誕生日で賑わっている。新の家族3人が店に来る。店に白浜が来る。
新は「ようこそ、OLD JACK&ROSEへ」とウィンクして迎える。
初代ママのジルバの写真は池脇千鶴。
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