目次
「モコミ」とは
テレ朝 土曜 23時 2021年1月23日~
脚本:橋部敦子
『救命病棟24時』『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』
『ファイト』『僕の歩く道』『Around40〜注文の多いオンナたち〜』
「モコミ」キャスト
清水萌子美(しみず・もこみ) 小芝風花
ニートだったが20歳から、工場でアルバイトを始める。
清水俊祐(しみず・しゅんすけ) 工藤阿須加
萌子美の兄。父方の祖父が営んでいた花屋を継いでいる。
清水伸寛(しみず・のぶひろ) 田辺誠一
萌子美の父。税理士。
清水千華子(しみず・ちかこ) 富田靖子
萌子美の母。家族思いで子供たちのことに熱心な主婦
須田観 (すだ・かん) 橋爪功
萌子美の母方の祖父。元高校教師で、現在はタクシー運転手。
依田涼音(よだ・すずね) 水沢エレナ
俊祐が祖父から継いだ花屋の店員。
桜井真由(さくらい・まゆ) 内藤理沙
俊祐が祖父から継いだ花屋の店員。シングルマザー。
「モコミ」第1話 私にしか聞こえない声
小さな工場で不良品のチェックをしている清水萌子美(小芝風花)。仕分ける速度が他の従業員に比べて速く、黙々と仕事をしていた。
萌子美は他の従業員が仕分け終わった部品に不良品があるのを見つけ、思わず「その子、ケガ――」と言いかけてしまう。実は萌子美には、感情を持たないとされているモノの気持ちがわかってしまうという繊細な“感覚”があったのだ。幼い頃はこの感覚を隠すことが出来ず、モノの気持ちを“代弁”することで、周囲との間に波風を立てることも少なくなかった。
工場でもどこか周りから浮く萌子美は、工場内の高い位置にある窓を見て、突然チーフ従業員に、あの窓を掃除した方がいいのではないかと言い出す。しかし清掃業者が当分来ないとの返事に、思わぬ行動に出てしまう。そのことが結局、周囲に迷惑をかけてしまう。
萌子美の母、千華子(富田靖子)は娘が工場で問題を起こしたと知らされ、頭を痛める。萌子美がほかの子どもたちとどこか違うことに長年悩み、何事もなく暮らしてほしいと願いつつ、それすら叶わないことに不安を抱き続けていた。それでも夫の伸寛(田辺誠一)や、萌子美の兄で長男の俊祐(工藤阿須加)とともに、自分なりに娘をサポートしてきた。
萌子美は22歳の誕生日を迎えるが、ある理由から工場に行きたくないと言い出す。この日だけ穏便に過ごしたいと、千華子は娘の言うことを聞くことに。その夜、家族揃って萌子美の誕生日のお祝いをしていると、千華子の父が住まわせてくれと転がり込む。ボヤを出し住めなくなってきた。
千華子は父を拒否するが、周りの家族は引き受ける。祖父は萌子美とは気が通じている。
母から問い詰められた萌子美は、工場で脚立から落ちたのは、窓が泣いていたので拭こうとしたと家族に説明する。
「モコミ」第2話 世界がひっくり返った日
清水萌子美(小芝風花)は同居を始めた祖父・須田観(橋爪功)にずっと気になっていることを相談する。萌子美の母・千華子(富田靖子)は自分の父親とはいえ、わだかまりのある観に萌子美が頼るのを見て複雑な気持ちになる。
千華子はさらに、萌子美の言った「窓が泣いている」という言葉が引っかかっていた。千華子は萌子美が幼い頃から、他の子とは違う言動を見せるたび心配を募らせてきた。
萌子美が観に打ち明けたのは、勤める工場の窓のことだった。窓が泣くのを見たくないという萌子美の気持ちを観はあっさりと受け止め、「俺に任せろ」と孫を安心させる。
萌子美は通勤の行き帰りに、兄・俊祐(工藤阿須加)が父方の祖父から引き継いだ花屋に立ち寄るのを楽しみにしていた。この花屋で花たちとの会話をするのは、学校を休みがちだった小学生の頃から萌子美にとって心安らぐ時間だった。萌子美は俊祐が初めて仕入れたというバラを見て、顔を曇らせる。あまり長くもたないことに気づき、そのことを兄に告げる。
萌子美は家族に工場でのアルバイトを辞め、兄の花屋で働きたいと伝える。しかし千華子は、人と接するのが苦手な萌子美にはいまの仕事が合っていると、娘の話を聞こうとしなかった。萌子美の父・伸寛(田辺誠一)はふたりのやりとりを聞いて、複雑な表情を浮かべる。
祖父・須田観はタクシーを運転し、帰宅途中の萌子美に声をかけてドライブに誘いラーメンを食べる。フォークで食べる観は、ルールは人間が勝手に決めたモノだと話す。
家に戻ると千華子は萌子美の様子を聞き出そうとするが答えられない。
観の荷物が届けられる。収納する場所がないので千華子が騒ぐ。
萌子美は工場のバイトを辞めた。母が叱ると、「うるさい、私を隠そうとして不安になる。生まれてこない方がよかったのかと思っていた」と言う。
工場を辞めるとき、チーフに歯をお大事にと言う。それが当たっていて、皆から褒められ自信を取り戻した。
萌子美は再び花屋で働きたいと言う。兄は萌子美が言った「バラが持たない」と言うのが当たっていたので、信じなかったことを謝る。萌子美に店で働いても良いと言う。
萌子美は花屋で働き始める。
「モコミ」第3話 誰にも言えない悩み
清水萌子美(小芝風花)は念願が叶い、兄・俊祐(工藤阿須加)が経営する花屋で働き始める。しかし、なれない作業が多くて失敗ばかり。
俊祐はバイトの依田涼音(水沢エレナ)から、従業員を増やすなら時給を上げてほしいと不満を言われる。それでも、萌子美が自分から初めてやりたいと言い出したことだけに、兄としてその思いを大切にしたかった。
母・千華子(富田靖子)は人とコミュニケーションを取るのが苦手な萌子美に客商売が務まるとは思えず、工場のアルバイトに戻ることを内心望んでいた。
千華子と夫・伸寛(田辺誠一)の間には微妙な空気が漂ったままだった。千華子は伸寛が相談もなしに経営する税理士事務所を閉め、自宅でのリモートワークに切り替えたことを納得していなかったのだ。
伸寛が家にいるようになったのを境に、千華子は夫の昼食を作らないようになる。千華子の父で最近娘一家と同居を始めた須田観(橋爪功)は、千華子のふるまいにあきれてしまう。
萌子美は1人で店の留守番を頼まれた際も、イヤホンを拾った青年(加藤清史郎)を見かけてつい追いかけ、予約の花を受け取りに来た客の対応が出来ず、迷惑をかけてしまう。
萌子美は配達で手がいっぱいの俊祐や涼音の代わりに、1人で店の戸締りをする。閉店の準備をしていると、男が店のフラワーアレンジメントをしてほしいと頼んでくる。店にはほとんど花が残っていないが、仕上げてしまう。涼音から勝手に作ったことを諫められ、本当のことを言って言う。
涼音からフラワーアレンジメントのやり方を教わる。常識にとらわれることなく、花が望んだところに配置する萌子美だが、涼音はアレンジメントのルールに従い、手直し。伝えたい思いはあるものの、それを言葉にできない萌子美だった。
ドーナツ屋の客が支払いに来たが、兄は見習いと言って受け取らない。
萌子美は涼音に本当のことは言えないと言うと、伝わる。
兄は萌子美の作った花を見て出来栄えが良いのに驚く。
「モコミ」第4話 家族の秘密…父、怒る
清水萌子美(小芝風花)は店の近くで見かける青年(加藤清史郎)にやっと拾ったイヤホンを渡すことができた。
思わずイヤホンが落とし主の元に戻りたがっていたと言ってしまうが、青年は萌子美の発言を何の抵抗もなく受け入れる。
清水俊祐(工藤阿須加)は妹がナンパされているのではないかと駆けつけるが、萌子美に「自分から声をかけた」と言われ、驚く。
青年は萌子美にお礼を持ってきて渡す。萌子美は胸をときめかせながら、名前も知らない彼と交流を重ねる。
萌子美は母・千華子(富田靖子)と父・観(橋爪功)との不仲の原因を尋ねるが、母は悲惨な目に遭ったからだと言って理由を隠す。
萌子美にフラワーアレンジメントを注文した石野伸司(庄野崎謙)が再び店に現れる。店長を務めるドーナツ屋に定期的にアレンジメントを配達してほしいと頼まれ、うれしい萌子美だったが、今後は俊祐がアレンジメントを手がけることに。まだまだ学ぶ身だと兄に言われ、萌子美は納得する。
CM
モコミは兄に「鈴音さん彼氏いるのかな」と尋ねる。「お兄ちゃんは彼女がいるの?」と訊く。
萌子美の家では両親の仲がますますこじれる。伸寛(田辺誠一)は千華子(富田靖子)にお弁当を作ってもらうことを諦め、カップラーメンをコンビニで購入し昼食にする。千華子は夫がカップ麵を買っているのを近所の人から後ろ指刺されていると不満を爆発させる。ついに子どもたちの前で言い争いが始まる。すると、激高した伸寛が千華子の父・須田観(橋爪功)が不倫したことを持ち出し、妻を傷つけるようなことを言ってしまう。
子どもたちに観の過去を知られ、ショックを受ける千華子をなぐさめる俊祐。
モコミの回想:子供の時、道端の花と喋っているところを、ともだちからいじめられ、俊介が助ける。
俊介は自分が作った花束を届けるのを止めてモコミに任せる。
「モコミ」第5話 開けゆく世界…母の涙!?
清水萌子美(小芝風花)はイヤホンを拾ったことで言葉を交わすようになった青年(加藤清史郎)と再会。公園で花たちと“会話”していたと告げても、当たり前のことのように話を続ける彼に、萌子美の心は安らぐ。さらに青年が愛用する自転車に名前を付けていると知り、萌子美も自分の大切な存在に、トミーと名付けていると打ち明ける。いつかトミーに会わせてほしいと言われ、萌子美はうれしさのあまり、仕事中もついニヤけてしまう。
職場でも萌子美にうれしい出来事が起きる。花屋のリニューアル案をアルバイトの依田涼音(水沢エレナ)が提案。彼女も萌子美が花の気持ちがわかるということに理解を示し、店内のインテリアや仕入れる花を任せてみればいいのではないか、と言ってきたのだ。萌子美の兄で店長の俊祐(工藤阿須加)はこの話を受け入れる。
ケンカをした両親の伸寛(田辺誠一)、千華子(富田靖子)の“冷戦状態”が続いていた。意固地になっているのは千華子で、家事を一切放棄。料理を作らず、部屋も散らかり放題。家庭でも花屋のリニューアルのことが話題となり、伸寛や祖父の須田観(橋爪功)は萌子美を応援。ところが千華子は素直に祝福できず、自分がいかに恵まれていないか愚痴を言い出す。
表向きは両親や妹に心を配る俊祐だが、心の中には怒りや不満が渦巻いていた。俊祐はSNSの“裏垢”に、ネガティブな思いを書き込むことで、なんとか自分を抑えていたのだ。
千華子はモコミが楽しそうに働いているのを見て、10年間時間を浪費させてしまったと涙を流して詫びる。
観はその間は無駄ではなく、充実した日だったと言う。
モコミはこの仕事に充実感を感じていると言う。
「モコミ」第6話 家族に訪れる最大の危機
清水萌子美(小芝風花)が家族と一緒に、リニューアルした「清水生花店」で記念写真を撮っていると、デリバリーのアルバイトをする佑矢(加藤清史郎)が現れる。人見知りな萌子美が異性と親しげに話す姿に、母の千華子(富田靖子)も父の伸寛(田辺誠一)も驚くばかり。いつ知り合ったのか、何をしている人なのか、どういう関係なの・・・心配でたまらない。つい根掘り葉掘り聞いてしまう。
萌子美は清水生花店がSNSを始めたのをきっかけに、自分専用のアカウントを作る。すると、SNS上でも佑矢と繋がることが出来た上、初めてちゃんと名前を教えてもらう。岸田佑也は役者を目指していると分かる。
仕事の合間、萌子美はたまたま、兄・俊祐(工藤阿須加)が置き忘れたスマホの黒い煙を感じて見てしまう。
画面には“いい人”という人物のアカウントが映し出され、人を非難する投稿が目に入ってくる。萌子美が改めて“いい人”の投稿を確認すると、自分たち家族への悪口が羅列されていた。兄の“裏の顔”を知ってしまい、萌子美は衝撃を受ける。
萌子美は佑矢とのチャットで「リアルで話しませんか?」と誘われ、会いに行く。そこに、偶然2人が一緒にいるのを目撃した俊祐がやって来る。佑矢を警戒する俊祐は、妹の周りをうろつかないよう警告の意味を込めて、自宅に寄って行かないとか誘う。しかし佑矢はひるむことなく、俊祐の申し出を受ける。
アルバイトの依田涼音(水沢エレナ)は俊祐と涼音はつき合っていたが、いつまでもその関係を公にしない俊祐に腹を立てその場を去る。
連絡を受けた千華子たちは、萌子美が初めて男の子を家に連れて来る。
CM
19歳の佑矢は静岡出身で、親に援助して貰いながら役者を目指していると言う。俊祐と佑矢は話がかみ合わないが、家族には気に入られた。
モコミが大丈夫と言うと、「逆だから」と言ってキレる。
花屋がモコミに奪われ居場所がなくなったと言い、家を出る。
「モコミ」第7話 モコミは花屋の危機を救えるのか!?
清水萌子美(小芝風花)は兄の俊祐(工藤阿須加)の本心を知り、衝撃を受ける。子どもの頃から父の伸寛(田辺誠一)も母の千華子(富田靖子)も、“変わり者”として周囲から浮いていた萌子美のことしか見ていないと感じていたのだ。
それでも何とか優等生のふりをして妹を助けてきたが、一人で守ってきた「清水生花店」を萌子美の感性でリニューアルされたことで我慢の限界に。「いいお兄ちゃんの役は、今日で降板させていただいます」と言って家を出て行ってしまう。
萌子美は家族に、俊祐が“いい人”の名でSNSに投稿していた書き込みを見せる。乱暴な言葉で書かれた俊祐の本音を千華子は受け止めきれず、自分を責めるばかり。そんな中でも萌子美は気丈に花屋の仕事を続けようとする。
俊祐が店を休むと知り、アルバイトの依田涼音(水沢エレナ)は自分が原因だと言い出す。俊祐と涼音はつき合っていたが、いつまでもその関係を公にしない俊祐に腹を立てた涼音は、勢いで別れると宣言。そのことで俊祐が落ち込んでいると思ったのだ。萌子美は涼音やもう一人のアルバイト・桜井真由(内藤理沙)と力を合わせて店を開くものの、配達など俊祐の力が必要な業務が発生する。そこに、萌子美の様子を見るため祖父の須田観(橋爪功)が「今日もお嬢さんたち美しいね」と言って現れ、配達を手伝う。
常連客に注文されたフラワーアレンジメントを萌子美が作るが、客が望んでいるのは俊祐のオーソドックスなアレンジメントだった。タイミング悪く、常連客からのアレンジメントの注文が殺到する。
店の車に寝泊まりしていた俊祐を岸田佑矢(加藤清史郎)が見つけ出す。萌子美から兄が店を休んでいる間は会えないと告げられた佑矢は、萌子美が店を守っていることを俊祐に伝える。俊祐は妹を守っていた過去を思い出す。夜、店を点検し順調に営業していて、自分の居場所がないと感ずる。
萌子美はいよいよ、俊祐に似せたアレンジメントを作らなければいけなくなる。すると萌子美は、兄のハサミを見つけオーソドックスな花束を作る。
3日ぶりに俊祐が戻る。家族は何事もなかったように暖かく迎える。
兄が店に戻り、モコミは疲労で早退する。もう、ぬいぐるみや花が喋らなくなった。
「モコミ」第8話
清水萌子美(小芝風花)は兄・俊祐(工藤阿須加)のハサミで、兄のようなフラワーアレンジメントを作って以来、花やモノたち、さらにぬいぐるみのトミーとも話せなくなってしまう。
岸田佑矢(加藤清史郎)に相談すると、萌子美の苦しい心情を理解し、モノと話せない分、自分といっぱい話そうと励ましてくれる。
伸寛(田辺誠一)が突然千華子(富田靖子)に、「田舎暮らしを始めたい」と言い出す。千華子が昼食用に弁当を作ってくれたことで、今が打ち明けるチャンスと話した伸寛だったが、千華子は「調子に乗らないで」と一喝する。
やりとりを見ていた千華子の父・須田観(橋爪功)は、励ましにも皮肉にも取れる言葉をかける。
千華子は萌子美に、佑矢を夕食に招いていいか聞かれる。
佑矢がやって来ると、萌子美から自分たちの部屋で夕食を食べると言われ、千華子や伸寛を驚かせる。年頃の娘の部屋に異性と二人きりにしていいのか。千華子たちが悩んでいると、俊祐が仕事から帰宅。萌子美が不思議な力で店のピンチを救ったことを伝え、調子に乗っているのだと腹立たしげに話す。
佑矢が帰ったあと、俊祐は萌子美をとがめるが、萌子美は家族に花やモノたちと話せなくなったと告白。千華子はそれが”普通”なのだと娘を慰めるが、俊祐は自分の行動が妹を追い詰めたのではないかと内心、ショックを受ける。
萌子美はこれまでと変わらない様子で仕事に打ち込む。
「モコミ」第9話
モノと話せなくなった清水萌子美(小芝風花)は平気なふりをしつつ、内心では不安が大きくなるばかりだった。
友人の岸田佑矢(加藤清史郎)に支えられて何とか気持ちを落ち着かせるが、家族は自分にとって”普通のこと”が出来なくなった萌子美を心配する。
兄・俊祐(工藤阿須加)は自分を責めながらも素直になれず、ぶっきらぼうに当分仕事を休むことを妹に提案。混乱している萌子美はそれを受け入れる。
萌子美は祖父・須田観(橋爪功)に、もし再びモノと話せるようになったら、その力を何に使いたいか問われる。今まで、自分に与えられた力の使い道など考えたことのなかった萌子美だったが真剣に考える。
観がまたしても、娘の千華子(富田靖子)を怒らせる。ボヤ騒ぎを起こして、借りていた部屋を追い出されたと語っていたが、その発言が嘘と判明したのだ。
なぜ観は長い間、音信不通だった娘家族の前に現れたのか、まったく見当がつかない千華子や伸寛(田辺誠一)だった。
花屋にはモコミが休むのを惜しむ客が来店する。
千華子が腹を立てているのを気にすることなく帰宅した観は、伸寛に田舎への移住計画の進展を尋ねる。萌子美が落ち着くまでは先送りにするつもりだという伸寛に、観は妻と田舎に住もうとしていたと語り始める。
俊祐は涼音から一緒に住まないかと提案を受ける。
夕食していると観に俊祐が、かつて起こした不倫騒動について聞いてくる。
「本気だったので、後悔はしていない」という観だったが、その場にいないと思っていた千華子が立ち聞きしていて、「出ていけ」とヒステリックに叫ぶ。
伸寛が山梨に一人でも下見に行くと宣言する。
家族も同行することになる。
CM
山梨の民家に着く。案内者は観の知り合いだった。観は妻と下見に来たことがある。
伸寛は一目で気に入る。
観は河原で妻の写真を見ながらここに住めなかったことを悔やむ。
モコミは観にモノと話す能力は、「誰かのためになることがいいなぁ」と言う。
ぬいぐるみのトミーがいなくなる。
CM
犬がトミーをくわえている。モコミは泣き出す。
俊祐はモコミはまた話すことができると励ます。
モコミは木に「お願い教えて」と言って手で触れると、木が応える。
「モコミ」第10話(終)
行方がわからなくなったぬいぐるみのトミーを捜すため、清水萌子美(小芝風花)は木々たちに居場所を知らないか問いかける。すると、萌子美の祈りが通じたのか、再びモノたちの声が聞こえるように。木々たちに導かれ、萌子美はついにトミーとの再会を果たす。
帰宅した萌子美は以前にも増して積極的になる。花屋に復帰し、仕事に行く前に岸田佑矢(加藤清史郎)とジョギングを開始。そこにはある思いが秘められていた。
父の伸寛(田辺誠一)も山梨への移住に向け、不要なものを処分し始める。千華子(富田靖子)はいまだ東京から離れる気はなく、伸寛は1人でも田舎暮らしを始めるという。「もちろん、一緒に来てほしい」そんな夫の言葉に心揺れる千華子だった。
役者志望の佑矢は実家に戻って劇団を作るため、新たな挑戦を始める。これまでのように頻繁に会えなくなるとわかるが、夢に向かって頑張る佑矢を萌子美は応援する。
萌子美は樹木医になるため家を出て仙台で学びたいと家族に報告する。
萌子美の決意を伸寛や祖父の須田観(橋爪功)は応援するが、千華子はいつもの癖で萌子美を不安がらせることを言ってしまう。兄の俊祐(工藤阿須加)も妹の成長を目の当たりにして、複雑な思いを抱く。
信寛は山梨に移住する。俊祐は役者に挑戦するため佑也の劇団のテストを受けると家族に告げる。店は従業員に任せると言う。
モコミは観のタクシーで仙台に向かおうとするが、家に引き返し母に感謝の言葉を告げ、抱き合う。トミーと話せなくなり、観からトミーとは卒業だとアドバイスされる。
千華子は教員になれなかったのを父の性にしていたことを反省する。
少しずつ父・観との関係を改善していく。夫と山梨に住む決意をする。
観は新しい彼女を作る。
俊祐は花屋に戻る。
モコミが樹木を学んでいるところに公演で来た佑也に偶然会い挨拶をして別れる。
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