「特捜9」あらすじ ネタバレ キャスト 相関図







「特捜9」シーズン4とは

難事件に取り組む特捜班。
個性派刑事、浅輪直樹(井ノ原快彦)、小宮山志保(羽田美智子)、新藤 亮(山田裕貴)らが事件解決に挑む。

テレ朝 水曜 21:00 4/7〜

脚本:徳永富彦 岡崎由紀子

「特捜9」キャスト

浅輪直樹(あさわ・なおき) 井ノ原快彦
 警視庁捜査一課特別捜査班主任。 
小宮山志保(こみやま・しほ) 羽田美智子
 警視庁捜査一課特別捜査班刑事。
村瀬健吾(むらせ・けんご) 津田寛治
 警視庁捜査一課特別捜査班刑事。
青柳 靖(あおやぎ・やすし) 吹越 満
 警視庁捜査一課特別捜査班刑事。
矢沢英明(やざわ・ひであき) 田口浩正
 警視庁捜査一課特別捜査班刑事。
新藤 亮(しんどう・りょう) 山田裕貴
 警視庁捜査一課特別捜査班刑事。
佐久間朗(さくま・あきら) 宮近海斗
 警視庁本庁所属の若手鑑識課員。
浅輪倫子(あさわ・みちこ) 中越典子
 直樹の妻。
早瀬川真澄(はやせがわ・ますみ) 原 沙知絵
 関東監察医務院に勤務する監察医。
国木田誠二(くにきだ・せいじ) 中村梅雀
 警視庁捜査一課特別捜査班の新班長。

「特捜9」第1話 灰色の容疑者

死後10日ほど経過した若い女性の刺殺体が、寂れた雑居ビルの空き店舗で見つかった。浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班が、捜査を開始する。

遺体の身元は昨年、故郷の大分県から上京した女子大学生・澤村香奈だった。香奈は大学にはほとんど顔を出していなかったようで、寂しさを埋めるためマッチングアプリを使っていた。

青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は、事件直前、彼女がある男と会う約束をしていたことを突き止める。
小宮山志保(羽田美智子)と村瀬健吾(津田寛治)は、被害者の住むアパートでしつこくチャイムを鳴らしていた不審な男がいたことを調べあげる。
直樹と新藤亮(山田裕貴)は、香奈が大学内に残したわずかな痕跡を根気強く探っていた。

監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が重要な情報をもたらす。香奈を殺害した凶器と、先日発生した弁護士夫婦強盗殺人事件の凶器のナイフの特徴が一致した。

弁護士夫婦強盗殺人事件の被疑者・八木敬司はすでに逮捕・送検され、検察で取り調べを受けていたが、一貫して犯行を否認。自身が目撃した、黒いジャンパーの男こそ真犯人だと主張していた。

検察で取り調べ中の八木に話を聞こうとする直樹だったが、大きな壁が立ちはだかる。それは、東京地検次席検事・渡辺理人(佐野史郎)。特捜班の班長・国木田誠二(中村梅雀)と深い因縁を持つ渡辺は、特捜班の依頼をはねつける。

直樹は渡辺から被害者の弁護士夫婦の息子と会いに来るように言われる。渡辺は「八木が犯人と確信している」と伝える。

捜査は手づまりで進展がない。国木田は八木を巡回護送車に乗せて特捜班の村瀬に尋問させる。

八木は車内で証言する。「アルバイト先の店の客だった弁護士と超過労働の相談をしていた。弁護士は、不当な労働を止めるように指示して生活費を渡してくれた。再度訪問したとき若い女性が相談した後に出て行った。前科の窃盗は母の看病のためだった。今は反省している。」

八木の起訴状ができるが、犯行を否認する。

女性はストーカー被害で同じ弁護士と相談していた。沢村香奈と同郷の保育士の林田信也がストーカーとして浮かび上がる。

国木田と直樹は、林田が連続殺人事件を起こした可能性があると東京地検に報告に行く。林田は自殺していた。嫌疑不十分で八木は釈放される。

「特捜9」第2話 殺人デザイナー

アパレルメーカーのデザイナー・浅川塔子(広山詞葉)が、自宅で撲殺されているのが見つかった。

臨場した浅輪直樹(井ノ原快彦)は、第一発見者である2人、食品メーカー勤務・鈴木真央(梶原ひかり)と主婦・岡野久美(池亀未紘)から話を聞く。
彼女たちによると、塔子を含めた3人は、“2.5次元俳優”の結城翔(久保田秀敏)の大ファン。事件前日も結城の舞台を観るために集まったというが、直樹は突然、2人から「私たちも命を狙われている。かくまってほしい」と頼み込まれてビックリする。


3年ほど前から、3人はインターネットで結城のネガティブなニセ情報を流す人物を見つけ出して追及する活動を開始。それが徐々に、不正受給者や悪質なクレイマーなどズルい人間を探し出して塔子の“裏アカ”でさらす、“ネット自警団”のような活動にエスカレートしていった。
最近、塔子たちへの殺人予告ともとれる差出人不明の脅迫メールが届いていた。

捜査を始めた青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は、俳優・結城のもとを訪ねる。彼は塔子がデザインを手掛けるブランドのイメージキャラクターを務めており、塔子とは親しかったが、自宅に行ったことはないと証言。
2人はさわやかで好感度の高い結城が裏の顔を持っていることを直感。付き人の高橋一太(堀丞)が、何かを隠している様子に気づく。

塔子のオフィスに向かった小宮山志保(羽田美智子)と村瀬健吾(津田寛治)は、部下の証言から、彼女に恨みを抱く人物の存在をつかむ。それは3年前、塔子に追い出されるようにして退職したパワハラ上司だった元チーフデザイナー・杉山英子(佐藤乃莉)だった。

新藤亮(山田裕貴)は、塔子たち3人が過去にネットで悪事をさらした人々を追いかける。

真央と久美は直樹の保護下にある。二人はズルい人は許さないと言う塔子の主張に共感していた。

塔子はネットで話題のディケーと言う正義漢の真似をしていた。

杉山英子は仕事を止めていた。パワハラは塔子に嵌められたようだ。デザイナーだった夫は入院していた。
英子の指紋が現場から検出されていた。英子は塔子から不倫現場の写真で脅されて仕事を止め、デザインを有償で提供させられていた。
現場に行ったとき塔子は死んでいたと供述する。

結城が過去にヤンチャしていた写真を入手する。写真を見せて指紋を取る。結城は人殺しをしていたと言うディケーの書き込みがあった。

付き人の高橋一太は英子の不倫写真の相手だった。
ディケーのSNSの写真から公園を見つける。
その公園では数年前に若い女性の殺人事件が起きていた。

結城はホテルで13年前に母が殺された久美に縛られている。
そこへ直樹が現れる。塔子は母の事件をもみ消していた。久美はそれを知って塔子を撲殺した。久美は母から教えられた正義を貫きディケーになった。

直樹は娘が幸せになることを願っていたと諭すと久美は泣き崩れる。

「特捜9」第3話 最高の日

特捜班のメンバー・村瀬健吾(津田寛治)はある朝、戸惑いを抱えながら登庁していた。どうしても思い出せないものが見つかったのだ。それはブドウをかたどったイヤリング。着なくなった服を整理していたところ、古いスーツのポケットから出てきたのだが、いつどこで紛れ込んだのかまったく思い出すことができなかった。

通勤途中に会った浅輪直樹(井ノ原快彦)に件のイヤリングを見せて心当たりがないか聞いてみるが、まったく知らないという。そんなことを直樹と話しているうち、村瀬は刑事として未熟だった直樹が主任になるまでの成長を思い返す。

”犬猿の仲”青柳靖(吹越満)をはじめとする特捜班メンバーにも聞くが、皆イヤリングに見覚えはないと言う。いったいこのイヤリングは何だったのか、と考えるうちに、遺留品がポケットに残っていたのではないかという疑惑にたどり着く。

大事な証拠品を紛失していたとなれば懲戒処分も免れないと聞きつけた村瀬は大いに焦る。村瀬は様々な記憶を呼び起こし、イヤリングの謎に迫ろうとする。

鑑識に持って行っても証拠品でなかった。

特捜班には出動要請が入らず、何もかもが穏やかに過ぎていくと思われた。

帰り道、小宮山と会い付き合っていた過去を思い出す。
イヤリングは小宮山のものだった。イヤリングを渡して別れるが、引き返して夕食を誘うが済ませてしまっていて、断られる。
明日に約束する。

腰に痛みを覚えて触ると何者かに刺されて出血して倒れる。

「特捜9」第4話 祈り

仕事帰り、何者かに刺された村瀬健吾(津田寛治)。直前まで一緒にいた小宮山志保(羽田美智子)は混乱するばかり。

管理官は志保を事情聴取し、被疑者扱いする。浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班メンバーも同様に聴取を受け、捜査本部が設置されるも特捜班の参加は許されなかった。
村瀬の手術は成功するが意識はまだない。

疑いまでかけられて怒りの収まらない志保は、特捜班メンバーに独自で捜査することを提案。誰もが同じ気持ちで、さっそく事件を調べはじめる。


青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は、手がかりを求めて地元の不良グループが入りびたるレストランへ。志保は班長の国木田誠二(中村梅雀)と事件現場を再訪する。

直樹と新藤亮(山田裕貴)は119番通報が公衆電話から発信されたことを突き止める。説明が的確だったことから通報者は土地勘があるようだったが、なぜか名乗らないまま電話を切っていた。

通報場所を訪れた直樹は、近くの一軒家の2階から自分たちの様子をうかがっている人物がいることに気づく。その家には、年金暮らしの母・溝口亮子(東ちづる)と、いわゆる「ひきこもり」状態の息子・泰幸(川合智己)が暮らしていた。
直樹は泰幸から話を聞きたいと頼むが、息子を刺激しないでほしいと亮子に追い返されてしまう。泰幸は声優を目指していた。

直樹は通報者の「ある特徴」から、泰幸こそが救急車を要請した緊急通報者であり、事件の詳細を知っているのではないかとにらむ。

現場で木の枝に血痕のついたビニール袋を見つける。不良グループが集まる喫茶店のウェイトレス・桃子に聞き込み、村瀬を目撃した証言を得る。志保は香水の香りがしていたのを思い出す。

通報した声紋と泰幸の声が一致した。事情聴取すると桃子をストーカしていたと供述する。
不良グループに襲われたとき、通りがかりの村瀬が助けた。そのあと村瀬が刺され通報していた。

レジ袋に25年前の殺人事件の逃亡犯の女・曽根明子と泰幸の指紋があった。母は2年前、亡くなっていた。年金を貰い続けるため、遺体を庭に埋めた。

泰幸の家ののヘルパーだった明子は、前科だと脅迫され、母の身代わりにした。
明子は直樹の前で首を刺して死ぬ。
村瀬を刺したのは明子だった。

村瀬の意識が戻る。

「特捜9」第5話 殺しの設計図

昼食の買い出しに出かけた新藤亮(山田裕貴)は街中で突然、銃声を耳にする。驚いていると、プラスチック製の銃を手にした覆面3人組に遭遇。とっさに強盗と判断した新藤は、自分のスマートフォンを犯人たちの車に投げ込んだ後、公衆電話から浅輪直樹(井ノ原快彦)に連絡し、GPSを使って車を追うよう依頼。すぐさま国木田誠二(中村梅雀)が位置情報を解析し、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)が追跡を開始する。

連絡を終えた直後、新藤は驚くべきものを発見する。近くの路地で、高級そうなスーツを着た男性が頭から血を流して死んでいたのだ。まもなく、遺体の身元は有名建築家の岩井剛太郎(長江英和)と判明。強盗が放った流れ弾に当たったものと思われた。

監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が遺体を調べた結果、意外な事実が発覚する。後頭部に“接射痕”が見つかり、岩井は流れ弾に倒れたのではなく、何者かに故意に殺害されたことがわかったのだ。しかも、弾丸や銃は、強盗犯が使っていたものと特徴が一致。2つの事件で使われた銃は、おそらく同じ設計図をもとに3Dプリンターで作られたものと推測された。 

特捜班・班長の国木田(中村梅雀)は10年前の事件で、当時10歳だった少年・青井雄太君がキャンプの途中でハンティングの流れ弾に当たって死亡した。事故として処理されたが撃ったのは岩井だった。

青柳と矢沢は雄太の母親である春菜を探しだし、逮捕する。

小宮山志保(羽田美智子)は、一時は意識不明の重体だった村瀬健吾(津田寛治)の病室を訪ねていた。ようやく村瀬が一般病棟に移ることができ、ホッとした志保はケンカしながらも何かと世話を焼くが、奇しくも同室の入院患者・諸星雄一郎(河合我聞)と妻・悟子(遊井亮子)が岩井が社長を務める建築事務所の一員だと知る。志保は、彼らからそれとなく事情を聴こうとする。

銃を作成したのは諸星から10年前の事件を聞かされていた悟子だった。所員の夫のデザインを盗んでいた岩井が許せず、春奈に渡してしていた。

「特捜9」第6話 呪われた絵

青柳靖(吹越満)は突然、見知らぬ少女に「助けて!」と抱きつかれる。一緒にいた恋人の垣内妙子(遠藤久美子)、矢沢英明(田口浩正)も驚くが、3人をさらに驚愕させたのは、少女に連れて行かれた一軒家にあった男性の遺体だった。

その少女は若き天才と世間から注目を集める19歳の画家・神崎えりな(尾碕真花)で、亡くなっていたのは画商の伊藤伸雄(二階堂智)。伊藤は、えりなの才能に目をかけ、2人は同居していた。

監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)が検視した結果、死因は窒息死と判明。ヒ素が混入されたコーヒーを飲んで急性ヒ素中毒を起こし、嘔吐したものがのどに詰まっていた。

伊藤は絵画を気軽に購入できるシステムを開拓し、“美術界の革命児”とよばれている人物だった。小宮山志保(羽田美智子)と国木田誠二(中村梅雀)が探ったところ、彼に恨みを抱く人物は多いとわかる。
その筆頭が、美術界の大家にして老舗画廊を営む小鳥遊幸哉(冨家規政)。直撃した浅輪直樹(井ノ原快彦)と新藤亮(山田裕貴)の前でも、小鳥遊は伊藤が美術界の品位を貶めていたと語り、死者への憎しみを隠そうとしなかった。
小鳥遊と伊藤はえりなのことで深い因縁があった。えりなの才能を最初に見出したのは小鳥遊だったが、えりなは彼のもとを去り、伊藤を頼っていた。

青柳と矢沢は、ショックを受けて入院中のえりなのもとへ行く。
えりなは自分の母親・神崎さつき(長田奈麻)が伊藤を殺した犯人だと言い出す。さつきはえりなを幼い頃に施設に預けて姿を消していたが、娘が天才画家として脚光を浴びたとたん現れ、彼女を引き取ろうとしていた。事件の起きた夜もさつきが伊藤を訪ね、揉めていたとえりなは証言する。 

さつきは当日家にいたと証言し、アリバイも実証された。
鑑識からヒ素の量は少なくヒ素は長期間飲んでいたことが分かる。
えりなを尋問するとベッドから逃げ出す。

伊藤は画家を目指していたが美術界から認められなかった負い目がある。

路上でえりなが倒れ病院に運び込まれる。ヒ素の影響だった。

伊藤の下で絵を描いていた最上がパリグリーンのカーテンを伊藤の部屋に吊った。その色には砒素が含まれていた。えりなの才能を妬んでの犯行だった。

「特捜9」第7話 あらすじ

裏道で男性の遺体が見つかり、特捜班が捜査を開始する。浅輪直樹(井ノ原快彦)と新藤亮(山田裕貴)は、被害者・高宮良介(朝倉伸二)が所持していたレシートを手がかりに、一軒の定食店に向かう。
店主の吉田かおり(町田マリー)は高宮が事件当日の夜、3時間ほど店にいたと証言。滞在時間が長かったのは、かおりのひとり息子で小学6年生の一輝(齋藤優聖)と数字パズルをしていたからだと話す。女手ひとつで息子を育てるかおりは、高宮が一輝の面倒を見てくれることに感謝しつつも、他人とコミュニケーションを取るのが苦手な一輝が高宮にのみ心を開いている現状をよく思っていない様子だった。直樹は、一輝が高宮と挑んでいたパズルが意外にも高難度であることを知り、ビックリする。

高宮が住んでいたアパートの部屋を調べた青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は室内が荒らされ、パソコンが盗まれていることに気づく。部屋を調べているとそこへ、上岡昇(上川周作)と名乗る男が部屋に入ってくる。高宮に借りていた金を返しに来たという。

青柳はそのとき、“半グレ”の男たちがこの部屋の様子をうかがっているのを目に留める。


高宮が天才的な数学研究者であった事実が判明する。大学卒業後、渡米して研究に従事していたが、8年前に突然帰国。以来、国内の大学からの誘いを断り続け、数学界とは距離を取っていたらしい。

衝撃の事態が起きる。
解剖結果を聞くため、小宮山志保(羽田美智子)と国木田誠二(中村梅雀)が監察医・早瀬川真澄(原沙知絵)のもとを訪ねたところ、なんと解剖前の高宮の遺体がこつ然と消えていた。

高宮はリーマン予想の数学テーマを一輝と解こうとしていた。
高宮の弟子は高宮が小学生との共著にしようとした主張を受け入れることができず、研究を横取りして殺していた。

「特捜9」第8話 あらすじ

ビル清掃員・宮川文子(田島令子)が自宅リビングで刺殺されているのが見つかり、浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班が臨場する。無断欠勤した文子の様子を見に来て窓から遺体を発見した同僚によると、文子には大手商社でバリバリ働く娘がいるものの家を出ており、現在はひとり暮らしとのことだった。


誰もいないはずの2階から物音が聞こえてきた。階段を駆け上がった直樹たちは、奥の部屋の押し入れに隠れていた文子の娘・雪(春木みさよ)を発見! 雪は確かに大学卒業後、商社に勤務していたが、15年ほど前に退職して以来、ずっとひきこもっていたようだ。ハリネズミのぬいぐるみがついたパーカーのフードを目深くかぶった雪は手をケガしており、現場が密室状態だったことから、彼女に母親殺しの疑惑がふりかかる。

警察病院に収容された雪は食事にも手を付けず、投げやりな態度で「夕飯に嫌いなニンジンが入っていたから殺した。それでいいんじゃない?」と犯行を認めるような言葉を放つ。しかも、直樹が何か食べたいものはないか聞くと、「ミルワーム」と謎の言葉を発する。

小宮山志保(羽田美智子)は、文子が最後に電話で会話した相手、人権派弁護士の成瀬聡美(松浦佐知子)を訪問。文子が翌日行われる裁判に、証人として出廷する予定だったことを知る。聡美は同じく弁護士である娘・莉子(新井郁)とともに、パワハラによって不当解雇された原告の代理人を務めていたが、文子はそのパワハラ現場を目撃した唯一の証人だったのだ。だが、青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)が文子の同僚に話を聞くと、金に固執していた文子が仕事を失う可能性があるにもかかわらず、雇い主に歯向かう証言をすることに疑問がわき上がる。

国木田誠二(中村梅雀)と新藤亮(山田裕貴)は、雪が時折、訪れていたハリネズミカフェへ。実は、“ミルワーム”とはハリネズミが好んで食べるエサ用の虫のことだったのだ。その店では毎晩、ハリネズミの生態を生配信していることがわかる。

「特捜9」第9話 あらすじ

路地裏で不動産会社の社員・脇坂芳樹(永倉大輔)の遺体が見つかった。何者かに突き飛ばされ、地面の石で後頭部を強打したものと思われたが、臨場した浅輪直樹(井ノ原快彦)と新藤亮(山田裕貴)は、路地裏の壁に足跡がついているのを発見。なんと、その足跡は直樹たちの身長よりも高い位置に残されており、どうしてこんなところに足跡があるのかと、2人は首をかしげる。

青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)は事件の夜、脇坂と食事をしたという2人の同僚、山口早希(佐藤みゆき)と森下紀見彦(和知龍範)に事情を聴いていた。森下がこっそり明かしたところによると、脇坂と早希には交際しているというウワサがあり、事件当日も食事を終えたあと2人は一緒だったのではないかという。そんな中、脇坂が手のひらにアクセサリーの一部と思われる真珠の玉を握りしめていたことが発覚。さらに、財布は現場に残され、スマートフォンだけ持ち去られていたことから、顔見知りの女性による犯行という線が浮上する。

国木田誠二(中村梅雀)が署内のデータベースを検索した結果、意外な事実が明らかになる。1カ月ほど前、脇坂は公園で“パルクール”の練習をしていた若い男と接触してケガをしたと主張、強引に被害届を出していたのだ。さっそく直樹たちが接触事故の相手・福井翔(元木聖也)に会いに行ったところ、彼は話もろくに聞かず、飛び蹴りするふりをして新藤の背後の壁を蹴り上げ、これみよがしに宙返りを決めて去っていく。だが、壁に付着した翔の足跡を事件現場のものと照合したところ、完全に一致! 直樹たちは事情を確認するため、翔の実家である町工場を訪ねる。

脇坂の周辺を調べていた小宮山志保(羽田美智子)と国木田は、脇坂が20年ほど前から関連会社に出向させられた挙句、何社も転々と異動してきた事実を知る。

「特捜9」第10話 あらすじ

 掃除当番にもかかわらず登庁してこない青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)に班長・国木田誠二(中村梅雀)が苛立っていると、新藤亮(山田裕貴)がスマートフォン片手に大騒ぎで出勤してきた。新藤はその日、朝から、お気に入りのアイドル・ルリ(小池美由)のファンミーティングバスツアーの生配信をチェックしていたのだが、なんと参加者の中に青柳と矢沢の姿を見つけたのだ。新藤から映像を見せてもらった浅輪直樹(井ノ原快彦)、小宮山志保(羽田美智子)はビックリ。確かに、盛り上がるファンたちに混じって2人がバスに乗っているのを確認する。

出勤前、矢沢は青柳とともに立ち寄ったコンビニエンスストアで、若い男性客のリュックの中に爆弾らしきものが入っているのを目撃。前日、とある倉庫から爆薬の原料となる化学肥料が盗み出された事件が発覚していたことから、2人は念のため男のあとをつけ、彼が乗り込んだバスにそのまま同乗したのだ。ところが、発車して早々、2人はそれぞれ携帯電話を忘れてきたことに気づき、特捜班に連絡できないことにがく然とする。

いったん駐車場に立ち寄ったところで、矢沢はトイレに行きたいと嘘をついてバスを降り、公衆電話から特捜班に連絡を入れようとする。しかし、その様子を見ていたルリに、容赦なく電話を切られてしまう。ルリによるとファンミーティング中は、ルリだけに集中してほしいため外部との連絡は一切禁止。参加者の携帯電話も没収するルールなのだという。一方、青柳は爆弾らしきものを所持していた若い男に接近。“ユウマ”(林裕太)と名乗るその男は意外と人懐っこく、青柳と他愛のない話で盛り上がる。

青柳と矢沢がバスに乗りこんだ事情を察知した直樹たちは、捜査を開始。バスツアーに同乗している事務所社長・瀬戸口俊信(中野順一朗)に、このところ頻繁に殺害予告メールが届いていた事実をつかむ。しかも、鑑識・佐久間朗(宮近海斗)が解析した結果、殺害予告を送った人物がバスに乗っていることが判明! だが、車内全員の携帯電話は没収もしくは電源が切られているため、内部と連絡ひとつ取れない。直樹たちの緊張は一気に高まるが、さらに予想外の事態が発生する。

「特捜9」第11話 あらすじ

ベテラン鑑識官・猪狩哲治(伊東四朗)が殺人事件の容疑者として連行され、浅輪直樹(井ノ原快彦)は複雑な思いを抱きながら取調室で対峙していた…。猪狩は所轄署で黙秘を貫きとおしており、長年親交のある直樹ならば口を割るのではないかという中原圭一郎管理官(小須田康人)の判断で、特捜班に捜査がまわってきたのだ。

猪狩は直樹に対し、たまたま前を通りかかったアパートから争う声を聞き、その直後に慌てた様子で逃げていく男を目撃したと証言。気になってアパートを確認したところ、奥の部屋で若い男が殺されているのを発見したが、ちょうどそこに宅配業者が現れたため、犯人と間違われ連行されたのだと話す。

猪狩が疑われるのには理由があった。被害者の前島公也(岸田タツヤ)は、猪狩の亡き後輩の息子だったのだ。公也は警察官の父に反発したのか素行が悪く、猪狩は彼を更生させようと何かと声をかけていたが、最近2人の間ではもめ事が起きていたようだった。ところが、公也との関係を指摘しても、猪狩ははぐらかすばかり。しかも現場からは公也と猪狩の指紋しか検出されず、状況はすべて猪狩が犯人だと告げていた。

猪狩の”弟子”でもある鑑識課員・佐久間朗(宮近海斗)がどんな結果でも真実を突き止めてほしいと、猪狩の携帯電話の通話記録を調べ上げてきた。それによると、猪狩は何度か人材派遣会社に電話をかけていたことが判明。青柳靖(吹越満)と新藤亮(山田裕貴)がその会社を探ったところ、介護サービスを標榜しながら“恋人レンタルサービス”で稼いでいる事実が浮上した。しかも、猪狩が何度か指名していた、レンタル恋人の“マミ”こと広瀬舞(岡本あずさ)の連絡が取れなくなっていることがわかる。

矢沢英明(田口浩正)は事件当夜、現場近くに止まっていたトラックの車載カメラ映像を入手。猪狩の証言どおり“逃げていく男”が映っていることを期待しながらチェックするが、事件の夜、アパートから出てきたのは”思わぬ人物”だった。

「特捜9」第12話 あらすじ

妻・倫子(中越典子)の誕生日に休みを取り、夫婦で港の見える公園に出かけた浅輪直樹(井ノ原快彦)。その日1日、倫子と過ごすつもりだったが、なんと到着した矢先、海面に浮かぶ男性の遺体を発見してしまう。

遺体の身元は、投資会社の役員・古賀武久(木下政治)と判明。死後数日が経過しており、ひとりで釣りをしている最中に誤って転落死したというのが所轄署の見解だった。しかし所持品の財布に現金がなかったことから、直樹は事件の可能性もあると見て、早瀬川真澄(原沙知絵)に遺体の解剖を依頼する。

直樹は古賀の妻・優子(三津谷葉子)に会うため、高級住宅街にある邸宅へ。優子は1週間ほど友人と北海道旅行に出かけていたため夫の行方不明に気づかなかったと話すが、同行した小宮山志保(羽田美智子)は夫の死を知った直後とは思えない彼女の冷静さに違和感を覚える。そして、直樹は優子が出したコーヒーの味に引っ掛かるものを感じる。高級店のオリジナルブレンド品だというが、妙に薄い気がしたのだ。直樹はあえてコーヒーをほめ、優子から豆をわけてもらうことに成功する。

解剖の結果、古賀の死因は溺死とわかる。後頭部に外傷があり、しかも足には縛られたような跡が残っていたことから、真澄によると、足に重りをつけて海に沈められた可能性もあるという。

青柳靖(吹越満)と矢沢英明(田口浩正)が、古賀が生前、顧客とトラブルを起こしていた事実を突き止める。古賀は会社を通さず、個人で会社経営者・屋敷賢(岡部尚)の資産運用を請け負った挙句、5000万円もの大損失を出していた。


直樹は新藤亮(山田裕貴)とともに優子のアリバイを確認するため、一緒に旅行に出かけた友人・遠山美里(太宰美緒)に会いに行く。高校時代の同級生だという彼女は、旅行中はずっと一緒だったと証言するも、優子は高校時代から見た目ばかり気にする見栄っ張りだったと酷評する。

「特捜9」第13話(終) あらすじ

車椅子生活となった村瀬健吾(津田寛治)のため、バリアフリーの物件を探していた小宮山志保(羽田美智子)はパトカーのサイレンから近くで事件が起きたことを知り、現場に駆けつける。事件が起きた高架下にはすでに捜査一課が到着していたが、志保は運び出されてきた被害者の遺体から、“ある香り”がするのに気づく。それは、村瀬が刺された事件のときに感じた香水の匂いと同じだった。志保は、そのことを捜査一課の主任・高木(利重剛)に伝えるものの、まったく取り合ってもらえない。

浅輪直樹(井ノ原快彦)たちも村瀬が刺された事件について話し合っていた。直樹と新藤亮(山田裕貴)は、被疑者・曽根明子(東ちづる)と親子を装って暮らしていた溝口泰幸(川合智己)から話を聞き、泰幸の犯行だと思いこんだ彼女が罪をかぶろうとしているのではないかと考えたのだ。となると、高架下で起きた殺人は、村瀬を刺した真犯人が新たにおよんだ凶行なのではないか――疑念を抱いた特捜班は、独自の捜査を開始する。

村瀬が特捜班に復帰する。村瀬もまた、自身を刺したのは明子ではないという考えを一同に明かす。実は刺されたとき、村瀬は薄れゆく意識の中で逃走する犯人の足音を聞いていたのだ。その歩数や足音の印象から、村瀬は自分を刺したのは男だと直感していた。

高架下の事件の被疑者確保の知らせが入る。

捜査本部を訪ねた国木田誠二(中村梅雀)は、東京地検察次席検事・渡辺理人(佐野史郎)直属の部下である切れ者検事・小泉真希(栗山千明)の姿を見かけ、地検がこの一件の早期送検に向けて捜査一課に圧力をかけていることを知る。