このリストは、S造(鉄骨)またはRC造(コンクリート)と、木質部材(CLT・集成材)を接合する際の設計・施工・監理の各フェーズでご活用ください。
目次
1. 設計フェーズ:異素材の「挙動」を予測しているか
- [ ] めり込み耐性の確認: 鉄骨ボルトやRCアンカーの引抜・せん断に対し、木材側の「めり込み」許容応力度が適切に計算されているか。
- [ ] 含水率と収縮の許容: 木材の乾燥収縮(経年変化)によるボルトの緩みを想定し、増し締めが可能な構造、または皿バネ等の緩み止め対策がなされているか。
- [ ] 熱橋(ヒートブリッジ)対策: 鉄骨が外部に露出する場合、接合部を通じて室内の木材結露を招かないよう、断熱パッキン等の熱絶縁処理が検討されているか。
- [ ] 5軸NC加工の反映: 接合部の複雑なカマ継ぎやアリ掛けが、5軸加工機の精度(0.1mm単位)を前提とした詳細図になっているか。
2. 防火・防錆フェーズ:見えないリスクを潰しているか
- [ ] 耐火被覆の連続性: 鉄骨柱を木材で被覆する場合(W-CFT柱など)、接合部の鋼材が火災時に規定温度を超えないよう、木材の「燃え代」や耐火シートが連続しているか。
- [ ] 異種金属接触腐食(電食)の防止: 木材保存剤の種類(銅系など)と、接合具(ボルト・プレート)のメッキ仕様が化学的に反応しない組み合わせになっているか。
- [ ] 止水・防腐: 外部に面する接合部において、木口(こぐち)から雨水が浸入し、接合具のサビや木材の腐朽を招かない止水ディテール(水切り・シーリング)が確保されているか。
3. 施工・精度フェーズ:「現場のリアリティ」に対応しているか
- [ ] RC/S造の施工誤差(逃げ)の確保: 木材(高精度)とRC/S造(相対的に誤差大)を接合する際、現場で調整可能なクリアランスや長穴加工が設けられているか。
- [ ] 揚重・建方計画: 大規模なCLTパネルやハイブリッド梁を吊り込む際、接合具に過度な初期負荷(こじり)がかからない吊り位置・治具が指定されているか。
- [ ] トルク管理の記録: 木材へのボルト締め付けトルクが、木材を破壊せず、かつ気密・構造を維持する適正値で管理・記録されているか。
💡 運用アドバイス
このチェックリストを現場監督や協力会社の鉄工所・プレカット工場と共有することで、「言った・言わない」のトラブルを防ぐだけでなく、チーム全体の「ハイブリッド建築への習熟度」を底上げすることができます。
特典のチェックリスト、ぜひ現場や設計のデスクでご活用ください。
