「早くWindows 11に移行しなきゃ」——その焦り、本当に必要ですか?
世界中の専門家やメディアが「Windows 10のサポートが終わる」「今すぐアップグレードを」と騒いでいます。でも、少し立ち止まって考えてみてください。
世界中のPCの3台に1台以上が、今もWindows 10を使い続けています。
これは無知や怠慢ではありません。むしろ、賢明な判断の結果かもしれないのです。
目次
「サポート終了」の真実——あなたが知らされていないこと
確かに、Microsoftは2025年10月14日をもってWindows 10の通常サポートを終了しました。
でも、話はそこで終わりではありません。
Microsoftは「ESU(拡張セキュリティ更新プログラム)」という延長策を用意しており、2026年10月13日までセキュリティ更新が継続して受けられます。個人ユーザーにも提供されており、条件によっては無料で利用できるものもあります。
つまり「サポートが終わった=今すぐ危険」は、正確ではないのです。
世界36%という数字が示す、不都合な真実
StatCounterの2026年1月のデータによると、Windows 10のシェアは36.03%。Windows全体で14億台以上のアクティブデバイスが存在するなか、その約36%——すなわち数億台規模のPCが今もWindows 10で動いています。
この巨大な数字の前では、Microsoftといえども無視することはできません。
実際、過去にも似たようなことがありました。Windows 7のサポートが終了した際、Microsoftは企業向けに**3年間の追加延長(2020〜2023年)**を行っています。Windows 10にも、同様の動きが出る可能性は十分にあります。専門家の多くが「企業向けの追加延長(ESU第2期)が出る可能性は高い」と見ているのは、このためです。
あなたがWindows 10を使い続ける、3つの正当な理由
1. ハードウェアの壁は、あなたのせいではない
Windows 11への移行には、TPM 2.0や特定世代のCPUといった厳しいハードウェア要件があります。これを満たさないPCは、公式には移行できません。
これはユーザーの怠慢ではなく、Microsoftが設けた仕様上の制約です。要件を満たさないPCを無理やりアップグレードするより、安全なサポート期間内で計画的に次の一手を考えることの方が、よほど賢明です。
2. 急いで買い替えるより、計画的に動く方が得
2026年10月までは、ESUによってセキュリティ更新が確実に受けられます。つまり、少なくとも今すぐPCを買い替える必要はありません。
買い替えを急いで後悔するより、2026年後半から2027年にかけて、落ち着いて新しいPCを選ぶ時間的余裕があります。その間に、Windows 11の完成度がさらに上がる可能性もあります。
3. 「まだ使えるものを捨てない」は、持続可能な選択
電子廃棄物(E-waste)は世界的な問題です。まだ動くPCを「OSのサポートが終わった」という理由だけで廃棄することは、環境負荷の観点からも疑問が残ります。
使い続けることには、経済的な合理性だけでなく、社会的な意味もあるのです。
では、今すぐすべき「たった一つのこと」
焦って買い替える必要はありません。ただし、一点だけ確認してください。
Windows 10のバージョンが「22H2」になっているかどうか。
ESUを受けるためには、このバージョンが必須です。スタートメニューから「設定」→「システム」→「バージョン情報」で確認できます。もしなっていなければ、まずここから始めてください。
「乗り遅れる恐怖」より「正確な情報」を
テクノロジーの世界では、「今すぐ変えなければ遅れる」という焦りを煽るメッセージが溢れています。でも、本当に賢い選択とは、流行に踊らされることではなく、正確な情報をもとに自分のペースで判断することです。
Windows 10はまだ終わっていません。世界中の何億人もの人々が、今日もWindows 10で仕事をし、生活をしています。
あなたが「まだWindows 10」であることは、恥ずかしいことでも遅れていることでもない——それは、根拠のある、冷静な選択なのです。
参考データ:StatCounter Global Stats(2026年1月)、Microsoft公式サポートページ(2026年3月時点)