文藝春秋12月号2018 拾い読み

「今上陛下は靖国を潰そうとしている」発言の真意「靖国神社は危機にある」小堀邦夫前宮司

今年三月、伊勢神宮から靖国のトップに就任した小堀氏は、内情を知って愕然とする。神社内部の研究会で職員を叱咤する音声がなぜメディアに流出したか──
靖国神社は、国のため、天皇陛下のために命をした人を国がお祀りするための神社。
それなのに天皇陛下はさまざまな事情からお越しになれない。
陛下には一度でいいから、せめてお近くにお越しいただき、246万余柱の方たちにおことばをかけてたらと切に切に思うのです。

日本の富豪経営者 その実力と報酬 大西康之

ニッポン株式会社”のルールが変わる。
ソニー平井会長27億円、LIXIL瀬戸社長11億円……。時価総額1位トヨタ・豊田章男社長よりもらっている38人
2位ソフトバンク副会長ロナルド・フィシャー20億円、ソフトバンクは他に外国人役員が4位、27位。社長の孫は、1億4千万円。トヨタ自動車副社長ディディ・ルロワは社長豊田章男の3倍の10億二千万円。日本人の社長よりも外国人役員の報酬が高い。世界と互角に戦うためには必要。
ソフトバンクの孫、ユニクロの柳井、楽天三木谷の創業者は、報酬は低いが、自社株配当で20~100億円を得ている。
日本でも役員報酬を引き上げる動き。東京エレクトロン4億円を超える役員が6人。
「民主的」な日本の企業社会では、一般的にトップの報酬が低い。しかし悪平等は責任逃れを生み、企業の成長力を奪う。信賞必罰の報酬体系の導入を促してみてはいかがだろう。

日産自動車会長ゴーンは14位7億三千万円。11月19日有価証券報告書虚偽記載で逮捕された。

トヨタは孫正義と握手するしかなかった 嶋聡

この機を逃せば日本勢復活のチャンスはない。
孫さんは、トヨタは、社員を研究開発やデザイン、設計といった付加価値の高い仕事に特化すれば、給料が上がる。大切な社員を工場で働かせる必要がなくなると言っている。
グーグルやアップルのようにプラットフォームを作り上げたものが全てを支配し、大きな利益を手にする。トヨタは研究開発費の大部分をプラットフォーム開発に投入して欲しい。
孫さんの頭の中には「日本」という概念がない。坂本竜馬と似ている。

携帯<通信通話>料金は絶対に四割下げる 菅 義偉

電波3社に告ぐ。電波は「国民の財産」である。
世界中で下降している通信料金は日本で高止まりしている。大手3社(ドコモ、AU、ソフトバンク)の寡占状態(競争がない)のが理由。3社は過度な利益に走り、不健全。契約システムも複雑で、店頭で契約すのに時間がかかる。
「SIMロック」「2年縛り」「4年縛り」という慣習は無くすべき。

政府の規制改革推進会議(議長・大田弘子政策研究大学院大教授)は11月19日、携帯電話料金の引き下げに向け、端末料金と通信料金の「完全分離」を求めることを柱とした答申を安倍首相に提出した。

小池百合子 野田聖子 女性政治家はなぜ輝けないか 三浦瑠麗

総裁選出馬を狙っていた野田聖子前総務大臣にスキャンダルが報道された。金融庁への介入と受け止められかねない秘書の行動が問題視された。
小池百合子を「失敗した」と形容するのは言い過ぎかもしれないが、豊洲問題、2017年の衆院選での失敗は、メディアでスピンして生き抜くことの限界値を私たちに示した。有権者は、やはり政策と人格を見ている。
女性議員が人格陶冶の機会を持てないうのは、与野党を横断して抱える問題だ。

「ぼくら」を読むこどもたち 宗田 理

90歳になった。1985年に書いた「ぼくらの7日間戦争」が小学生の選挙で8位に選ばれた。
この物語を書いたときは、小中学生は管理教育の重圧にあえいでいた。普通の中学生が、知恵と勇気と仲間との友情を武器に、力を合わせて悪や矛盾に立ち向かう。

NHKニュースでこの本が取り上げられ、著者が、「こどものいたずらは勇気と知恵がないとできない」と、答えていた。

三百年の悲願 多川俊映

興福寺貫首。300年ぶりに中金堂が落成した。興福寺は710年藤原不比等が創建した。費用60億は、寄進で賄えた。
中金堂の柱は、直径80センチ、長さ10メートル超の巨木、66本が必要だった。日本にはなく、カメルーンからケヤキを輸入した。

日本経済新聞、「私の履歴書」で執筆中。

老けない「筋トレ」教えます 久野譜也

人生百年時代。
筋肉は、放っておくと、30歳から1年で1%減る。
ウォーキングだけではNG。
筋トレには、動物性たんぱく質が効果的。

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