第1集 命の源
2025年4月27日 NHK総合

タモリ×山中伸弥W司会の「人体」最新シリーズ
ミクロの世界への冒険!生命の神秘を解き明かす
人体およそ40兆個の細胞の中には不思議な世界が広がっていた。単なる物質のはずなのに、歩き、合体し、協力し合う“細胞内キャラクター”たち。命のない部品が集まって、命を営む。ファンタジックな世界を最新顕微鏡と超高精細CGで映像化。私たちの命を突き動かす源を探る。

生きていることの定義:代謝する。自己増殖する。
米国人のヒーラ細胞はシャーレの中で生き続けている。増殖したヒーラ細胞は医学の研究に用いられている。
細胞内キャラクター
遺伝子DNAは設計図。10万種類の細胞内キャラクターが遺伝子の設計図通りに作られる。
「細胞内キャラクター」とは、細胞内で働くさまざまな分子や構造を擬人化して表現したものです。例えば、細胞内のモータータンパク質である キネシン は、微小管の上を歩くように移動しながら物質を運ぶため、「歩くキャラクター」。

神経細胞内の小胞は感情(喜怒哀楽)の素。キャラクターの一つであるキネシンは小胞が運び感情(喜怒哀楽)が発生する。
キネシンは、細胞内で物質を輸送するモータータンパク質の一種であり、微小管に沿って移動することで細胞内のさまざまな物質を運搬します。一方で、「人の感情」は神経伝達物質や脳の活動によって生じるものであり、キネシンが直接感情を生み出すわけではありません。
しかし、キネシンは神経細胞内で重要な役割を果たしており、神経伝達物質の輸送にも関与しています。例えば、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質は、感情や気分の調整に関わる重要な物質ですが、これらの物質を適切な場所へ運ぶためにキネシンが働いている可能性があります。
つまり、キネシンは感情を直接生み出すわけではないものの、神経細胞内の物質輸送を通じて、間接的に感情の形成や調整に関与していると考えられます。
細胞内キャラクターのチームプレーの例として「糖質吸収でエネルギになり、筋肉が動く」。
細胞内での糖のエネルギー吸収は、主に グルコース(ブドウ糖) の取り込みと代謝によって行われます。細胞は GLUT(グルコース輸送体) を使ってグルコースを細胞内に取り込み、解糖系やTCA回路を通じてエネルギーを生み出します。
また、インスリンが血糖値を調整し、細胞がグルコースを効率よく吸収できるように働きます。このプロセスが適切に機能しないと、糖尿病などの疾患につながる可能性があります。

キャラクターは褒めるとその気になる。環境によってキネシンは増え脳の機能は上昇する。
食欲、睡眠欲には限りがあるが、知識欲には限界がない。
脳の活性化に関しては、キネシンが神経細胞内で重要な役割を果たしていることが知られています。特に、神経伝達物質の輸送を助けることで、記憶や学習能力の向上に関与している可能性があります。例えば、あるマウス実験では、刺激の多い環境で育てられたマウスの脳内では、キネシンの量が増加し、学習能力が向上したことが示されています。

おいしいものを食べて十分睡眠をとるのが効果的(山中伸弥)。
第2集 人間の命
2025年5月11日(日) [NHK総合] 午後9:00~9:49
細胞 40兆 限りあるから命は輝く
およそ40兆個の細胞が集まった、私たち「人間の命」。単に細胞の数が多いだけではなく、それぞれの細胞が高い専門機能を持ち、協力し合っている。
耳の細胞のおかげで音楽を聴ける、目の細胞のおかげで絶景を眺められる。まさに“生きる喜び”を生み出す。しかし、その高い機能と引き換えに細胞は老いてゆき、結果、私たちは「老いて死ぬ」宿命を背負う。
「老化を治療できる」という画期的な新薬の話や、老化の根本原因に迫り、“細胞の時間を巻き戻す”ことを目指す研究を紹介。老化のメカニズムを解き明かす。
呼吸と細胞
私たちが毎日、当たり前にしている「呼吸」と、「細胞内の世界」が密接につながっている。
呼吸は、細胞がエネルギーを生み出すために不可欠なプロセスです。具体的には、細胞内の ミトコンドリア で行われる 細胞呼吸 によって、酸素を利用して栄養素(主にグルコース)を分解し、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー分子を生成します。
細胞呼吸のプロセス
解糖系(細胞質で行われる)
グルコースが分解され、ピルビン酸と少量のATPが生成される。
クエン酸回路(ミトコンドリア内で行われる)
ピルビン酸がさらに分解され、電子伝達系に必要な分子が作られる。
電子伝達系(ミトコンドリアの膜で行われる)
酸素を使ってATPを大量に生成する。
このプロセスによって、細胞は筋肉を動かしたり、体温を維持したりするためのエネルギーを得ることができます。
呼吸と細胞の関係
酸素の供給:肺で取り込まれた酸素は血液を通じて全身の細胞に運ばれ、細胞呼吸に利用される。
二酸化炭素の排出:細胞呼吸の副産物として生じた二酸化炭素は血液を通じて肺に運ばれ、呼気として排出される。
エネルギーの生成:細胞呼吸によってATPが作られ、生命活動を支える。
第3集 命のつながり 細胞40億年の旅
5月25日(日) [総合] 午後9:00~9:49
40億年前に誕生した最初の細胞がどのように進化し、現在の生命へとつながっているのかを探ります。細胞の分裂や協力の仕組み、生命がどのように複雑化していったのかを、視覚的にわかりやすく紹介する内容になっています。
第4集 果てしなき命の探求
6月8日(日) [総合] 午後9:00~9:49
生命がどのように進化し、未来へとつながっていくのかを探ります。細胞の分裂や協力の仕組み、生命がどのように複雑化していったのかを、視覚的にわかりやすく紹介します。
人体III 第1集 命の源 細胞内ワンダーランド – NHKスペシャル – NHK