「姨捨」観世会講座







目次

前説

内田樹、松岡心平による対話。
姨捨は、大和物語が起源。
深沢七郎の小説、楢山節考の棄老伝説と類似。
作者の世阿弥は、浄土教を信じ、山岳信仰と融合させ、山は極楽浄土であるとしている。

舞囃子の実演

家元が『姨捨』弄月之舞、サシからトメまでの舞囃子を45分演じる。
これまで最高の客入り。

鼎談

  • 観月の名所 長野県の姨捨の棚田で田毎(たごと)の月を、先代と実現した。秋に、実った棚田の稲を買い取り、水を引いてすべての棚田に月を映した。豪勢でないとできない遊興である。
  • 太鼓の音は、場面を一変させ、重要である。江戸時代から、観世太鼓方は観世家と同居して、他の囃子方とは別格だった。
  • 老女の表は、老婆ではない。唇に紅がさしてあり、永遠の若さを取り戻す、月の精のイメージである。
  • 最後に置き去りにされたときに、片半座の姿勢で山に残されたようにした。演者によっては手を目に当て泣く仕草もある。

予定

能公演、姨捨・安宅は4月1日1時より観世能楽堂。

次回講座、芭蕉は4月10日6時より観世能楽堂。