プロレスラーが能楽師の父を介護して跡を継ぐ!?
目次
「俺の家の話」とは
TBS 金曜劇場 夜10時 2021年1月22日~
脚本:宮藤官九郎
「俺の家の話」キャスト
「俺の家の話」第1話 濃すぎる家族
ブリザード寿こと観山寿一(長瀬智也)は、プロレスリングでマットに叩きつけられ、ロープへ投げ飛ばされながらも、自分の家族について思いを馳せていた。
寿一は幼少時代、寿要無形文化財「能楽」の人間国宝である父の観山寿三郎(西田敏行)から一度も怒られたことがなかった。一緒に悪さをしても、怒られるのは芸養子となった寿限無(桐谷健太)のみ。しかし寿三郎は、初舞台以降「神童」と讃えられた寿一を褒めることもなく、それが幼い彼の心を傷つけていた。
寿一は、母の死後、反抗期を拗らせ家を出て17歳でプロレスラーの道へ進む。そこには、寿一が憧れていた家族の形があった。
しかしピークを過ぎ、妻と離婚し子供の養育費を払っている。さんたんまプロレスに拾われレスラーを続けている。
寿一の元に寿三郎危篤の知らせが飛び込んできた。急いで病院に駆け込んだ寿一は、久しぶりに会った弟の踊介(永山絢斗)と妹の舞(江口のりこ)から、一昨年に寿三郎が脳梗塞で倒れたことを聞かされる。二人は体が不自由な父を介護していた。
父との別れの挨拶は2年前に済ませたと遺産や相続の話を始める弟妹に寿一は激昂する。
宗家は舞台で倒れ、3週間意識が戻らなかった。その時寿一はプエルトリコで試合をしていて連絡していなかった。
寿一は「親父はまだ生きている」と言い、寿限無の勧めもあって観山流宗家を継承すべく、プロレスラーを引退することを決める。
盛り上がらない引退試合を終えた寿一を待っていたのは、寿三郎が退院したという知らせだった。
能舞台に車椅子で寿三郎は能一門の幹部、家族を前に現れる。寿命は半年~1年だと言う。さらにデイケアサービスで寿三郎の担当ヘルパーだった志田さくら(戸田恵梨香)と結婚する宣言する。あっけにとられる寿一ら家族をよそに、自身の余命とすべての遺産をさくらに譲渡すると告げ、サクラを車椅子に載せて退場する。
さくらは寿三郎を週5回自宅で介護していた。さくらは寿一が宗家を継ぐと報告した動画を遺影していた。「羽衣」の一節を寿一が謡うと皆も謡い始める。寿三郎は相続についてはこれからの介護を見て考え直すと言う。
寿一は介護のために実家に戻る。舞は塾の教師で夫はラーメン屋。さくらは資格がないので直接触れられないので家族が入浴をすることになる。
寿一は風呂とおむつ交換を頼まれるが、最初はうまくできない。
ケアマネージャーが来て家族の前で認知症のテストをする。野菜の種類をうまく答えられず、要介護1に認定される。
寿一は能舞台に向かい謡っている父を見て励まし、入浴の介護もできるようになる。寿三郎が「能は神に奉納する神聖なモノ」だと言い、若い頃育児をしなかったことを弁解する。寿一が「いただきます」と言うと、長男感があってよいと皆に褒められる。
「俺の家の話」第2話 いきなり襲名発表!?
能のシテ方は、ワキ方、囃子方に出演料を支払うため一番貧乏なのだ。
寿一(長瀬智也)が二十八世観山流宗家を継承すると宣言したことにより、父の寿三郎(西田敏行)から門弟にそのことを告げる日がやってきた。寿三郎が後継者決定を声高に宣言するものの、門弟たちからは不満の声が続出。収拾がつかなくなった一同を前に寿三郎は、1週間後に寿一に高砂を披露させることを約束する。
ネットでさくら(戸田恵梨香)の過去の写真を発見した踊介(永山絢斗)は、彼女のことを秘密裏に調べ進めていた。
寿三郎はトイレに自分でいけない。さくら、寿一と外出時、電動車椅子のバッテリーが切れて漏らしてしまう。認知症も進行して5分前のことを忘れてしまう。
寿一は息子・秀生(羽村 仁成)との面会日も、養育費が払えないため会わせてもらえない。家族から借金をしようとしても無駄だった。門弟は100人いたが、いざこざがあって残ったのは数人。寿限無はデリバリーのバイトで凌いでいるのを知り寿一もデリバリーを始める。
さんたまプロレスから復帰の誘いを受ける。寿一はプロレスと縁を切るため長州に頼みリングではなむけのラリアットを受ける。
秀生が能を始め、寿三郎が稽古を受ける。
さくらは10万円を寿一に貸し、寿一の稽古姿を褒める。
弁護士の弟・洋介は、さくらがヘルパーとなった老人から3000万、2000万、2000万の遺産を相続していたことを皆に話す。
学校で問題児の秀生は、母が仕事をしていないこと、男友達がいることを話す。
寿一は門弟の前で舞を披露し、跡取りとして認められる。
家族が集まり、寿三郎は遺言状を披露する。家族は、婚約者のさくらと結婚するのを反対する。寿三郎はもう一度舞台に立つためにはさくらが必要だと言う。さくらは寂しい老人を介護して遺産を相続したいきさつを説明し、ここを追い出されてもかまわないと言う。
寿一はさくらを引き留める。しかし親父は寂しい老人でないと否定する。
寿三郎は、さくらに恋愛感情はなかったと言われ、落胆する。しかし、10分後にはフラれたことを忘れさくらと次回の外出の約束をする。家族は目を見合わせる。
秀生が能に興味を持ち始め、寿三郎は孫の稽古をべた褒めする。
寿一が秀生を送る帰り道、元妻が男と会っているのを目撃する。
さんたまプロレスから10万円の出演料で代役を頼まれリングに上がる。
家では父はトイレを我慢できず廊下で倒れる。
「俺の家の話」第3話 家族の気持ちがバラバラに!?
能vs.プロレス、究極の選択
観山寿一(長瀬智也)はさくら(戸田恵梨香)に借りた10万円を返すため、スーパー多摩自マンに扮してリングに上がる。試合を終え、急いで帰路につく寿一の元に、寿限無(桐谷健太)から一本の電話がかかってきた。それは、寿三郎(西田敏行)が廊下で転び病院へ運ばれたという内容で、寿一は慌てて病院に駆けつける。
自分が目を離した隙の出来事に言い訳できない寿一は、さくらや踊介(永山絢斗)、舞(江口のりこ)からの追及にただ謝ることしかできなかった。
舞は重三郎のためのシルバーカー(手押し車)を調べる。退院後、寿一は子供たちからシルバーカーを贈られるが、ジジ臭いので使わないと断る。
寿三郎は残りの人生を楽しむため、エンディングノートを作りさくらとの旅行計画を立てる。
寿一はプロレスを諦めきれず、寿限無に相談する。
長州、武藤ら5人が自宅に来て「スター選手の不在で経営が傾いている。復帰してくれ」と頼む。
息子に背中を押され、家族に内緒でプロレスラー復帰を決意する。
仕舞の稽古は高砂から進まない。
能面をつけ「スーパー世阿弥マシン」というリング名でデビューする。
はじめは腰をやられ動けなくなるが、体幹の意識を思い出すと技が決まる。
家族旅行ができる程度のファイティングマネーを得る。
寿三郎は財産をさくらに譲渡する遺言状を何度も書く。
寿一は婚約者のフリをしてくれとさくらに頼む。
さくらは月額3万円で引き受ける。
新作能「さくらの家の話」:男運のない母と6万円の都営住宅で暮らしていた。母の相手は最初は40代のニート、売れないバンドマン、小太りのホスト、ロシア人、と点々と変わった。小6のとき貯めていた小遣いを母に取られた。
寿一は「親不孝固め」を編み出す。息子の秀生に能の稽古を始めさせる。
寿三郎は要介護1から要支援2に改善し、舞台復帰を目指すようになる。
寿三郎はさくらに子供たちの前では恋人でいてくれと頼み、死に方が分からないと言う。さくらは「子供たちがたたんでくれるから散らばったまままで良い」と慰める。
ユカから妊娠の電話を受け、かすかな望みが消えて心が冷える。
寿三郎がプロレスの観戦にくる。マスクをつけている寿一は、体幹を駆使して分からない。試合に勝ち、急いで帰り夕食を作り、寿三郎を風呂に入れる。
エンディングノートには「もう一度舞台に立つ」と書かれている。
「俺の家の話」第4話 家族みんなで隠し事
スーパー世阿弥マシンとしてプロレス界での活動を再開した寿一(長瀬智也)は、寿三郎(西田敏行)のエンディングノートを眺めながら、”寿限無(桐谷健太)のおとしまえ”の意味が分からず首をかしげていた 。
寿限無に聞くと、地方公演で寿三郎はガールズバーに行って相手とLINEで連絡を取り合っていたことを、道成寺のストーリーになぞらえて話す。
さくらは「寿三郎はエンディングノート作成してから生きることへの執着が増した」と寿一に報告する。
踊介(永山絢斗)は、さくら(戸田恵梨香)の昔の写真を入手し、寿一と舞(江口のりこ)にさらなる疑惑を持ち出すが、2人に一蹴されてしまう。
「子供能」と題して大州(道枝駿佑)と秀生(羽村仁成)による能の定期公演の話が持ち上がる。
能「道成寺」で鐘を落とす鐘鐘後見を寿一に任される。タイミングを間違えると大けがをする大役だ。
大州は稽古にたびたび遅刻し、さらに反抗的な態度も重なり、舞の怒りは募る。筋の良い秀生と比べられる大州に、寿一は昔の自分が重なる。
寿限無は寿一が逃げたように、大洲に逃げ道を作ってあげるのも手だという。
寿一はユカと秀生の親権について話しあう。
さくらは寿三郎と散歩中に倒れる、踊一から連絡を受けた寿一はマスク姿のまま探し出し、さくらを抱えて家に届ける。
寿三郎は女中だった栄江(美保純)に手を出して、妊娠させていた。妻には認知を拒否され、番頭を父になるように頼んだ。栄江が産んだ子供が寿限無だった。寿一は寿限無と腹違いの兄弟だったのだ。
二人は小さいときから一緒に稽古して仲良かった。寿一が家を出たので、寿限無が跡継ぎになった。
デリバリーのバイトから戻った寿限無にこのことを話すと、淡々と聞き入れ「承知しました」と答える。
さくらは、寿一の洋服ダンスからプロレスの衣装を発見する。
公演日に大洲と寿限無が行方不明になる。舞と庸介が会場を探すが見つからない。
大洲はストリートダンスのコンテストで優勝していた。
寿三郎は舞台で病の経過が良好と伝え、最初の舞囃子「曽我物」は寿一と秀生で演ずると話す。
寿限無は鐘の後ろに隠れていたのが見つかり、寿三郎に「うるせークソジジ」と言いい、道成寺の面をつける。
「俺の家の話」第5話 恋と反抗期が渋滞!?目指せ!家族旅行!
寿一(長瀬智也)と腹違いの兄弟であることが発覚した寿限無(桐谷健太)は、これまでの態度とは一変、40才で遅めの反抗期を迎えていた。
さくら(戸田恵梨香)は、スーパー世阿弥マシンの正体が寿一あることを確信し、頭からそのことが離れない。
寿一はかみ合わない家族のために、寿三郎(西田敏行)を連れての旅行の計画を立てる。子供のとき一度だけ一家でハワイに旅行したことがあった。家族全員を参加させたい寿一は、家族でないと言って卑屈になっている寿限無を連れ出し、無理矢理プロレスのリングに立たせる。
兄弟喧嘩と称し、寿限無のサンドバックになる寿一。だが、2人を追いかけてきたさくらが、寿一に「世阿弥さん」と声を掛ける。寿限無は「継ぎたければ能で俺に勝ってみろよ」と言い捨てる。さくらは「好き」と言って去る。
温泉旅行を計画するが、寿三郎は病人扱いされたくないと言って拒む。
寿一はユカに秀生の親権を持ちたいと言う。ユカの夫は親権を主張し、調停に持ち込まれる。弁護士の踊介に調停を相談すると、「さくらに告白する」と言い出す。
さくらは寿一に「返事はすぐでなくても良い」と言う。踊介も親父もさくらが好き。寿一はさくらに自分が世阿弥マシンでないと思い込ませようとするが失敗する。
寿三郎の主治医は旅行は無理だと言う。寿一は、「ハワイ旅行の写真のようにみんなで笑った写真を撮りたいから旅行に行く」と頼む。
主治医は目標の血圧130、体重85㎏、血糖値をクリアすればOKと言う。皆で寿三郎に運動をさせて目標をクリアさせる。
寿三郎はさくらが来てほしくないと言い出す。会いたい女・まゆみがいると言う。会津の薪能の時、急性アルコール中毒で入院したときの看護婦だった。
プロポーズして結婚しようとする直前、人間国宝に指定されて叶わなかった。「幸せさせてあげられなくてごめんなさい」と言いたいという。さくらは事情を察し、行かないと宣言する。
家族6人でワゴン車に乗って出発する。寿三郎は途中で10年前のイタリア公演で知り合った、ちはるに会いたいと言う。農家からちはるがでて来て寿三郎に抱き着く。
「俺の家の話」第6話 感情のジェットコースター
ついに25年ぶりの家族旅行へ出発した観山家だったが、道中思わぬ寄り道が発生していた。寿三郎(西田敏行)がかつて愛を誓った女性たちへの謝罪行脚をしたいというのだ。
寿三郎は、ちはるに大江山に使った能面を渡す。オークションで100万円する面だった。
寿三郎の好きなようにさせると決めた寿一(長瀬智也)は、思うところがありつつも福島へ車を走らせる。
寿三郎は、途中の水戸に芸者だった豆千代を尋ねたいと言う。面を渡そうとするのを、寿一は遮って代わりに扇を渡す。
観山家に残ったさくら(戸田恵梨香)は、誰もいない稽古場で寿三郎と踊介(永山絢斗)から引っ切り無しに届くメールをぼんやりと眺めていた。だが、寿一のことが頭から離れずモヤモヤとした想いを抱えていた。
やっとの思いで目的地のスパリゾートハワイアンズに到着し、夕食を終えた一行だったが、寿三郎が今度は近くの温泉旅館の女将・まゆみに会いたいと言い出す。それは、かつて寿三郎がプロポーズをし、それを了承してくれたという女性だった。
まゆみに会いに行くとお引き取りくださいと言われと、秀生は寿三郎はもうすぐ死ぬと説明する。
突然、ドサ回りの3流芸人・タカシ(阿部サダヲ)が現れる。まゆみはタカシのファンだった。寿三郎は腹を立て席を立つ。
ホテルにさくらがスーパーひたちに乗ってホテルにきた。今日は33歳の誕生日だと言い、寿一に山賊抱っこをして欲しいとせがむ。抱き上げられたさくらは恍惚状態になる。
寿一がさくらを運ぶところを踊介が見つける。さくらは寿一の顔を見たので満足したといって東京に帰る。
ステージでタカシが唄う。それを見ていた寿一はタカシに売られた喧嘩を買い、飛び入りを約束してしまったので、詫びをいれに行く。タカシの仲間3人が豪雪でこれなくなったので代役を頼まれる。寿一、寿限無、踊介はステージでタカシと「秘すれば花」を唄う。
寿一はタカシに頼んで寿三郎にマイウェイを切々と歌わせると、全員感動する。皆で「オヤジサイコー」と言う。トラベルヘルパーの末広(荒川良々)が現れ記念写真を撮る。
その写真が帰った部屋に飾られ、前の写真と比較しさくらは「こっちの方がいい」と呟く。
「俺の家の話」第7話 大切な人を幸せにできるのか?
無事、家族旅行を終えた観山家一同。往路の息の詰まるような車中とは一変、大合唱をしながらの帰路となった。
寿三郎(西田敏行)は帰宅後すぐに嫌がっていたリハビリを開始。
忙しくなった舞(江口のりこ)と踊介(永山絢斗)はリモート介護に切り替える。
稽古場では寿限無(桐谷健太)が体験入門のお弟子さんたちの稽古をつけるという日々が続いていた。
ひとり暇を持て余していた寿一(長瀬智也)の元に、さくら(戸田恵梨香)がやってきて、庸介からのプロポーズのメールを見せる。
旅行中にした告白の返事を聞いていないさくらは、寿一からの返事をせがむ。
寿一は、自分がスーパー世阿弥マシンの正体であることを黙っていてくれと頼むと、「いくらでも黙ってますよ」と答える。
寿三郎にバレたら破門になるからだ。
元妻であるユカ(平岩紙)との秀生(羽村仁成)の親権を巡る話し合いのため、寿一はスーツ姿で踊介のミヤマ法律事務所へ行く。
寿一は家庭をかえりみないのが離婚の原因と言うと、ユカは寿一が帰ってきて家でピリピリして怖かったのが真の原因だと言う。
ユカは寿一に、秀生に会わせない、能の稽古を止めさせると言う。
泥棒に入られ面が盗まれたと騒ぎだす。さくらが、寿三郎から貰った面を返す。
寿三郎はの認知症が進行した結果だった。
ケアマネジャーは寿三郎に一泊の検査入院を勧める。
寿三郎は寿限無が面を持ち出したと寿一にチクる。
寿三郎が入院している間、寿一たちは部屋を点検する。エロ本や遺言状がみつかり、扇や袴がなくなっていた。
秀生から「稽古をしたい」とメールが来る。
さくらの作ったラーメンを二人で食べながら、さくらは寿一に始めて殺気を感じたと言う。
寿一は秀生がプロレスをやりたいと言ったとき、自分の子供のときの父から受けた稽古の怖さを思って反対したと話す。
大切な人を不幸にしたくない。殺気のためさくらを幸せにできないと言う。
さくらは寿一に殺気があっても怖くないと言う。
寿一はさくらの作ったラーメンを褒め、肩に担ぎ上げて2階に運び寝かせる。
寿一は、不審な物音を感じ1階に行き、男が面を持ち出すのを取り押さえ警察を呼ぶ。犯人は体験入門で下調べしていた。
寿三郎は検査の結果、要介護2で家に帰る。ケアマネジャー要介護3になると施設に入ることになるので、その前にはっきりさせた方がよいとアドバイスする。
寿一はユカに、「寿三郎が死ぬまで、親権は要らないからオヤジが死ぬまでは少しでも秀生に能の稽古させてくれ」と頭を下げて頼む。ユカは許す。
秀生の学校から呼び出され、担任の教諭から「父の寿一がカッコいいと憧れる」という内容の濃い作文を見せられる。
秀生は「屋島」の稽古を再開する。
寿一はリングで「必ず幸せにします」と見に来ているさくらにプロポーズする。
「俺の家の話」第8話 仁義なき家族バトル 親父、涙の終活宣言
ついに、さくら(戸田恵梨香)へ自分の気持ちを告白した寿一(長瀬智也)。
寿一はさくらに「プロレスを止めて、さくらとぬるま湯のような家庭をつくろう」と言う。
だが、まだそのことを家族に話すわけにはいかず、何事もないかのように振る舞う。
寿三郎(西田敏行)が「終活をする」と言い出した。自分が「要支援2」だと思っている寿三郎は、今のうちに遺産相続について書き記しておこうと言うのだ。「さくらへ贈与する」と寿三郎は言うが、それを聞いたさくらはキッパリと断る。
寿一は寿三郎から「隅田川」の稽古をするように告げられる。同時にスーパー世阿弥マシンの新しい対戦相手が決まり、寿一は能とプロレスを同時進行で稽古する。
寿限無(桐谷健太)との稽古中によろけてしまい、寿一は病院へ。診察の結果、さくらを肩に載せて運ぶ時アキレス腱を断裂していた。2週間の車椅子生活を余儀なくされる。
踊介は寿一とさくらの関係をLINEのやりとりから知る。踊介はさくらから事情を説明されると、家に寄り付かなくなる。
舞は浮気をしている夫を相手も読んで咎める。寿三郎の過去の浮気についても我慢できないと言い放ち、家に寄り付かなくなる。
寿限無は、寿三郎が寿一に「寿限無と風呂に一緒に入りたくない」と言っているのを聴いてしまい、家を出る。
二人で能舞台の前で葬式の段取りの話をする。
さくらは介護士の資格をとり、寿三郎を入浴させることができるようになる。
ケアマネジャーから介護施設に入れるように勧められるがまだ早いと思っている。
寿一は寿三郎の葬式用のビデオメッセージを録画する。
ユカはさくらに「寿一は自分がない。妖精みたいだ」と言う。
さくらは「私にとっては、寿一はスカイツリー」だと言う。
寿三郎は二人に「隅田川」のあらすじを説明して稽古をつける。
途中で謡を忘れてしまう。これまで忘れたことはない。
庇おうとする寿一に寿三郎は、「寿一はあてにしていない。秀生に家を継がせるるまで生きる」と言う。
寿三郎がいなくなる。さくらは寿三郎の携帯のGPSから隅田川にいることが分かり、探し出す。隅田川を見ながら詞章を思い出し謡っている。
寿三郎にグループホームに下見に行くよう誘う。寿一は涙ぐみながらシェアハウスに寿三郎を置いて帰る。
弁護士との親権会議でユカが産気づき寿一が産院に駆け付けると、子供が産まれる。
「俺の家の話」第9話 家族パワーで奇跡を呼ぶぜ
妹弟が去り、寿三郎(西田敏行)がグループホームへ入所し、観山家に残った寿一(長瀬智也)は、ひたすら稽古に励む。なぜか、さくらと二人で生活している。
半年前に家を出た寿限無(桐谷健太)が突然帰宅する。介護士挫折し、「自分には能しかないと気づいた」と言う寿限無。寿一は寿三郎のいるグループホームへ寿限無を誘う。
スーパー世阿弥マシンに扮した寿一をはじめ、慰問に来たさんたまプロレスのレスラーたちを見たお年寄りは歓声を上げる。世阿弥マシンは寿三郎をもちあげ、寿限無は泣き笑うような気持ちでそれを見つめる。
寿一と結婚を誓い合ったはずのさくら(戸田恵梨香)は、2週間前に出ていった。能とプロレスが頭の大部分を占め、夜に手を出せない寿一に不満を覚えていたのだ。「さくらさんとセックスするために親父をホーム入れたみたいだ」と言い訳して、どうしてもダメだった。
踊介(永山絢斗)は週刊誌の記者からある記事を見せらる。そこには、認知症専門のグループホームの中庭で運動している寿三郎の姿があった。
寿一は新春能楽会で「隅田川」の舞台にたつことが決まり、稽古に励む。
年末にタイトルマッチが組まれ、どちらを取るか悩む。
さくらが来て、観山家は暖かい家庭だった。もう一度戻してくれと頼む。
週刊誌に「寿三郎がお家騒動でグループホームに入れられた」と言う記事が出る。テレビのワイドナショーでも醜聞として取り上げられる。
観山家の分家の当主、万寿(ムロツヨシ)が弟子を引き連れて来て、「放蕩息子の遺産目当ての寿一は破門、永久追放。踊介に土蜘蛛を舞わせ、正当の世継ぎにする」と言う。
寿限無は申し出を断り、「寿一が隅田川を舞う」と言い、万寿を追い払う。
寿三郎が来て、「寿一が能芸を継承するためにはさくらと別れろ」と言い、「世阿弥は、隅田川の渡し船で息子の亡霊を弔うと、役者の力で亡霊を客の前に浮き上がらせる」と言う。その場に横たわり、ホームに帰ろうとしない。
寿三郎は脳梗塞を発症した。在宅医療を望んでいる寿三郎の意思を尊重して、酸素呼吸器をつけて兄弟と家で看病することにする。
寿三郎は危篤状態になり、葬儀屋が現れ寿一が段取りをする。
寿一はベッドの傍らでラップを歌う。
ベッドの横に点滴のチューブ持っている長州がいた。長州は戒名を残し帰る。兄弟たちは大声で寿三郎に本心を伝える。
最後に寿三郎は無意識のまま「世阿弥マシーン」というと、マスク姿の寿一が現れる。マスクを取り正体を明かすが、全員がすでに見抜いていた。
寿一が始めた「肝っ玉!しこたま!さんたま!」の掛け声を全員で合唱すると、寿三郎は奇跡的に回復する。
大晦日、寿一=スーパー世阿弥マシンは2回目の引退試合のリングに向かう。
「俺の家の話」第10話(終) 忘れないで!家族の時間
グループホームを抜け出し観山家にやってきた寿三郎(西田敏行)は、3度目の脳梗塞で危篤に。
多くの門弟や家族たちに囲まれ、最後の時を迎えようとしていた寿三郎の前に、いままで正体を隠してきた寿一(長瀬智也)がスーパー世阿弥マシンとして現れる。
「肝っ玉!しこたま!さんたま!」の掛け声で、奇跡的に寿三郎は一命を取り留める。
寿一は新春能楽会で舞う予定の「隅田川」の稽古に励む。
2022年1月15日
家族全員とさくらを含め8人で食事する。ユカも気軽に立ち寄る。
回復した寿三郎は3年ぶりに舞台で「隅田川」の地謡をすることになる。
遺言状に書かれた宗家の後継者は寿一だった。
兄弟は寿一が奇跡を起こしたことを認める。
さくらは寿一のプロポーズの動画を眺めている。
新春能楽会が始まる。寿三郎は着物姿のさくらを紹介する。
今日の「隅田川」のシテは寿一だと紹介する。
しかし寿一がいなくなり、寿限無がシテの衣装を着けている。
寿一は亡くなっていた。
2021年12月31日
寿一は引退試合中の事故で救急搬送された病院で亡くなった。享年42才。寿限無の葬儀は能舞台で行われた。大勢の人が集まった。寿一が用意していた寿三郎への感謝の動画を流す。
寿三郎は寿一の死を認めようとしなかった。
「隅田川」が始まり寿限無が舞う。
葬儀が終わり自宅に遺骨が設置されると、寿三郎は寿一が見えるようになる。
寿限無に稽古をつけている脇に寿一が見える。
「隅田川」の本番で寿三郎は寿一の姿を見る。
寿一は入浴を手伝うときの服装で「おやじチンチン洗ってやるよ」という。
寿三郎は寿一に世阿弥が隅田川で亡霊を出す云々の話をしていると、舞台に秀生が亡霊として現れる。
寿三郎は寿一を舞台に上がることはダメだと言う。寿一を死んだことを認めだす。月命日に家族と妻の墓参り行った時のことを切り出す。
寿三郎の寿一への語り掛け
「墓参りのとき、寿一は母に隅田川を見せたかったという。
帰り道寿三郎は藤田ニコルを見つけ、弔辞を読んでもらうことを頼む。ニコルが予約したパンをかわりに買ってあげる。寿一は家で数の子を食べた。」
話が終わると「隅田川」の地謡に戻る。
寿一は「人間国宝」と掛け声をかける。
寿三郎は寿一に感謝の言葉をかけ「人間家宝、観山寿一」と褒める。今まで褒めなかったのは、褒めたら終わっちゃうからだと言う。
2022年4月
さくらは寿一の墓参りに行く。「寿一が宗家を相続する」と書かれた遺言状を見せる。
マスク姿の寿一が現れる。さくらは「だいすき」というと、抱きかかえられ、接吻する。
寿一は「おやじが死ぬまで側にいてください。俺の家を頼みます」という。
数年後、さくらは踊介と結婚する。踊介は「土蜘蛛」の稽古をする。宗家は寿限無が継承し、そのあとは秀生が継ぐことになる。
大洲はラーメン系ユーチューバ―になる。
さんたまプロレスは世阿弥マシンの追悼試合を開催し、長州は寿一の亡霊と戦う。
2022年8月
家族8人が揃い、寿一の遺影を囲み食事する。
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