能「雷電」を読み解く・謡音読会・九段修声会







 

能「雷電」を読み解く

2019年6月9日 @九段生涯学習館
講師:小早川修 (シテ方観世流)

能「龍田を読む」―天神となった菅原道真の怨霊ショー―

菅原道真とは

北野天満宮

菅原道真は学者でありながら、宇多天皇に重用され異例の大出世する。しかし政敵の諫言により太宰府に左遷されてしまう。左遷され2年後、不遇のうちに大宰府で亡くなる。

大宰府天満宮


菅原道真が大宰府で亡くなった後、京は道真の怨霊とみられる祟りが頻発した。
朝廷は京都に道真を祀る北野天満宮を建て、「天満大自在天神」という神号を贈り、怨霊を鎮めた。

能・雷電が作られた室町時代、足利家は菅原道真を崇拝し北野天満宮を優遇していた。

能のあらすじ

北野天満宮縁起絵巻

菅原道真の友人である法性坊僧正は、怨霊となった道真と対面し、互いに懐かしむ。
法然坊は、宮中から怨霊となった道真を追い払うよう再三要請される。
断っていた法然坊は、ついには怨霊と対決し、道真の怨霊を追い払う。

学問の神様・菅原道真

学問の神様として慕われる菅原道真は幼少時から詩歌の才があった。

-京を去るとき-
東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ

菅原道真は、梅の花が好きだった。
-11歳のときの漢詩
月耀如晴雪(げつようせいせつのごとく)
梅花似照星(ばいかしょうせいににたり)
可憐金鏡転(あわれむべしきんきょうてんじて)
庭上玉房馨(ていじょうにぎょくぼうのかおれるを)

令和の年号で大宰府が注目された。令和おじさん、菅義偉は菅原道真と関係あるらしい。

このたびは幣もとりあへず手向山もみぢの錦神のまにまに ―百人一首

 

雷電では、菅原道真は学問の神様とは、ほど遠いい怨霊となって暴れまくる。

歌舞伎で演じられる菅原伝授手習鑑では、雷電に描かれている怨霊シーンは割愛されてる。学問の神様とイメージが合わないのだろう。

雷電の本公演

雷電の本公演は、「朋之会」6月23日(日)13:00- 観世能楽堂@銀座