焼失した木造の首里城再建に向けて資材調達に課題が!
2019年10月31日の火災
空から見た首里城(火災前)
被害状況
以下の建屋が焼損した。延べ4,800平米が焼失。
- 全焼
正殿
北殿
南殿・番所
書院・鎖之間
黄金御殿池(奥書院を含む)
二階御殿 - 半焼
奉神門
首里城公園は11月5日から一部開園
首里城公園は休園していたが、11月5日から一部開園した。
守礼門は見られる。
再建費用の見積もり
首里城は前回は第2次世界大戦で焼失した。
首里城を再建するのに1986~2018年の33年間で240億円かかった。
今回の7棟の再建費用は200億円程度と見積もられている。
再建で遭遇する問題点
木材
前回の再建では資材として台湾から輸入したヒノキを使用した。
その後、台湾はヒノキの伐採を禁止した。ヒノキ価格は当時の10倍以上に高騰していて調達が難しくなりそうだ。
燃えない材料であるコンクリート、鉄でも同じ形で安く、速く建築できるが、オリジナルである木造へのこだわりから実現しないだろう。
木造とした場合、初期消火するためのスプリンクラーは欠かせない設備になろう。
赤瓦
焼失屋根の赤瓦の材料となる粘土は枯渇している。また赤瓦を製造する職人もいなくなった。原型を残すには、焼け残った瓦を再使用する必要がある。
過去の伝統を引き継ぐのを重視するか、新しい材料で復元するのを容認するかで、費用・期間が変わりそうだ。
再建費用の調達
政府は首里城再建の費用負担に乗り気だ。米軍基地に関して不協和音を奏している沖縄を懐柔するのに、良い機会だ。
沖縄県知事も再建に積極的だ。沖縄の本土復帰50年にあたる2004年までに首里城再建計画をまとめると表明した。
民間からの寄付金も予定の1億円をすでに突破して2億円になっている。今後もまだ増加しそうな気配だ。
まとめ
沖縄の歴史の原点である首里城公園は、県民の心のよりどころ、世界遺産でもあり貴重な文化財だ。
官民が連携して、一刻も早い復元が望まれる。