医者だって人間じゃん?
目次
「にじいろカルテ」とは
テレ朝 木曜ドラマ 夜9時 2021年1月21日~
脚本 岡田恵和
「にじいろカルテ」キャスト
紅野真空(くれの・まそら)/ 高畑充希
東京から山奥深くの虹ノ村にやってきた内科医。
蒼山太陽(あおやま・たいよう)/ 北村匠海
虹ノ村にやってきた看護師。
浅黄朔(あさぎ・さく)/ 井浦新
虹ノ村にやってきた外科医
橙田雪乃(とうだ・ゆきの)/ 安達祐実
村唯一の商店兼食堂「にじいろ商店」の看板娘。
橙田晴信(とうだ・はるのぶ)/ 眞島秀和
雪乃の夫で「にじいろ商店」の店主。
霧ケ谷桂(きりがや・けい)/ 光石研
村役場の職員。真空を虹ノ村に連れてきた張本人。
霧ケ谷氷月(きりがや・ひづき)/ 西田尚美
霧ケ谷の妻で、仲睦まじい夫婦として村でも有名。
緑川日出夫(みどりかわ・ひでお)/ 泉谷しげる
嵐の義理の父親であり、日向の祖父。
緑川嵐(みどりかわ・あらし)/ 水野美紀
村役場でバリバリ働くキャリアウーマン。
白倉博(しらくら・ひろし)/ モト冬樹
日出夫の同級生で、じじーずの1人。
筑紫次郎(つくし・じろう)/ 半海一晃
じじーずの1人。
緑川日向(みどりかわ・ひなた)/ 中野翠咲
嵐の娘。
雨尾結城(あまお・ゆうき)/ 池田良
村外から配達物を運んでくる“まじょたく君”。
桃井佐和子(ももい・さわこ)/ 水野久美
花に囲まれた家で一人暮らしをするおばあちゃん。
「にじいろカルテ」第1話 医者だって人間じゃん?
東京の大病院の救命救急の医師・紅野真空(高畑充希)は、手術室でめまいで倒れ込んでしまう。診断は難病の多発性筋炎と診断され仕事を休めと言われる。
真空は経済的な事情もあって医師を続けたかったが叶わなかった。
気落ちした真空。公園でにわか雨で雨宿りしていると雨が止み虹が現れる。通りがかりの男・霧ケ谷桂(光石研)が「虹の村のリンゴだ」と言って渡す。真空はリンゴを食べながら、スマホで「虹の村」が内科医を募集中であることを知り、ネットで応募する。採用の通知が届く。
真空は、鬱蒼とした森を抜け、山奥の虹ノ村診療所のバス停に着く。
降り立った村のバス停で迎えを待っていると、少女が真空に手招きし、村唯一の食堂「にじいろ商店」の中へ入る。中では愉快な虹ノ村の村人たちが集合して自己紹介する。
診療所は洋館風の改装した学校で、真空はすぐに気に入ってしまう。
ツナギにグラサンの外科医・浅黄朔(井浦新)、超絶優秀ながらすぐキレる若き前髪ぱっつん看護師の蒼山太陽(北村匠海)と、真空は一つ屋根の下で暮らすことになる。
CM
太陽が村のことを教えていると朔が遮り、仕事の上下関係、村に来た動機で言い争いになる。
真空は、「母の介護のため東京に行くことがある」と嘘を言う。
真空の歓迎会が雪野の店で盛大に開催される。白倉博(モト冬樹)が猪の罠にかかり、崖から落ちて負傷する。GPSで記憶を失った博を探し出して車で駆けつける。診療所に運び朔が手術する。停電して、緑川日出夫(泉谷しげる)が自家発電をし、横たわって死にそうな博に過去を懺悔する。
男の子が高熱がでて気を失っていると連絡が入り、真空と太陽が診療所に運び治療する。
翌朝、二人の患者は回復し、3人で円陣を組み、村民も集まり喜びあう。
真空が急に泣き出し、嘘をついていたことを謝り、難病にかかっていることを告白する。5年生存率が60~80%で月1回東京で検査を受ける必要があると説明する。
「ここで生きていてはいけませんか。ここしか居場所がないんです」と頼む。
朔、霧ケ谷桂はここにいてくださいと言うと、全員合意する。
外を見上げると虹がかかっている。
「にじいろカルテ」第2話 まさかの診断ミス
「わたし、嘘をついていました。」
秘密を告白した内科医・真空(高畑充希)だが、「医者で患者、最強じゃん」という温かい言葉を受け、虹ノ村診療所での生活がスタートする。
真空は太陽(北村匠海)嵐(水野美紀)と車で村を回り健康診断をする。
往診先で出会った一人暮らしのおばあちゃん、佐和子(水野久美)からも、スマホを買ったが話す相手がいないと相談され「いつでも話し相手になる」と申し出てしまい、さっそくかかってきた電話にも丁寧に対応する。
真空は毎朝起きると、検温して首のまわりの湿疹をチェックする。朔と太陽が朝食を作っている。真空がジャガイモを切るが調理が下手なので朔が指摘するとモメル。太陽は「くせにポイント表」を作り真空を援護する。
待望の内科医の登場に、虹ノ村診療所に大行列ができる。
CM
孫についての悩みや、畑で獲れた冬瓜のプレゼントなど、張り切る真空だが、一人の患者と話し込んで時間をかけてしまい待ち時間が増える。
朔(井浦新)と太陽(北村匠海)の心配は募って行く。
CM
佐和子から電話がかかってきて返答がなく3人で駆けつける。無事だった。
真空は頻繁に自分の手の指を握ってチェックしている。真空自身の体調も密かに悪化してゆく。
次郎(半海一晃)がカゼで診察に来る。薬をもらったが自宅で息苦しくなり、診療所に来て、発作を起こして倒れ込む。
CM
酸素吸入器を当てて治療する。次郎は糖尿病持ちで心筋梗塞を起こしていた。救急車で運び、手術が無事終わる。
佐和子からの留守電に「森のくまさん」が録音されていて、泣き出す。
雨尾結城(池田良)が宅配で診療時に来て、次郎からの感謝を頼まれ勢いで真空の頬にキスをする。真空は驚き朔、太陽はヤバいと言う。
「にじいろカルテ」第3話 私は誰なんですかー?
真空(高畑充希)は朝起きると検温と首の湿疹のチェックを欠かさない。朝食は朔(井浦新)と太陽(北村匠海)が作る。免疫力を高める健康食。二人から恩着せがましく言われちょっと凹む。
虹ノ村診療所に、いつもと様子が違う雪乃(安達祐実)が駆け込んで「私は誰なんでしょうか?」と真空に問いかける。
朔(井浦新)から、雪乃は3年前から“まだら認知症”を抱え、何度もこんな日々を繰り返しながら生きていると告げられ、真空は動揺する。
雪乃を探して診療所に駆け込んできた、夫の晴信(眞島秀和)のことも、雪乃は誰だかわからない。
「治らない病」に対してどう向き合えばよいのか、立ち尽くす真空だが、なぜか朔と太陽(北村匠海)は落ち着いた様子だ。
ハイテンションで登場したのは雪乃の幼馴染である嵐(水野美紀)と氷月(西田尚美)。嵐と氷月はアルバムを持ち出し根気よく雪乃に話しかけ、過去を思い出させる。2人は、そのまま雪乃の「実家」へ連れていき、過去を教える。
無言のまま、雪乃たちを見送った晴信は、朔や太陽、そして霧ケ谷(光石研)と共に“想い出のカツサンド”を作り始める。
CM
各自雪乃に自分の自己紹介をする。
氷月は、子供好きだが子供に恵まれなった人生を話す。
嵐は、旦那が置手紙を置いて逃げたことを話す。
真空は、自分の難病について語る。
憧れていた人生がある。だけど、どうしようもない現実も、誰にでもある。自分の人生と付き合っていくしかない。
CM
診療所に戻るとおいしいカツサンドが並んでいる。二人は雪乃に旦那を想いださせようとする。
雪乃は正装した晴信に過去を教えてくださいと頼む。
真空は体調が悪いのを隠していたことを詫びる。東京に検査に行かしてくださいと言う。
CM
真空は病院の出口で検査票を見て考え込む。佐和子から電話があり互いに「元気になったところ」と言い合う。
母に「あとで謝りたいことがある」とビデオメールを送る。
虹の村に帰ると皆が集まってご馳走を用意して待っていた。
「にじいろカルテ」第4話 救うべきは妻か、殺人犯かー?
朝から畑に佇み、空を見上げる朔(井浦新)。
朔の回想:自分の畑で妻・沙織(佐々木希)と芋ほりをして楽しそうにランチをしている。爆破事件でレスキュー隊員だった朔は、巻き込まれて負傷した沙織から「大丈夫です」といわれ、より重篤な患者の手当に向かった。
いつもと違う朔の様子が少し気になる真空(高畑充希)。
太陽(北村匠海)は朝から“お尻”の痛みに耐えている。
CM
霧ケ谷(光石研)と氷月(西田尚美)や嵐(水野美紀)が虹ノ村診療所にキャンプでブヨに刺されたため、治療の薬を貰いに来る。
太陽は同じキャンプで尻にブヨに刺されていたが、成り行きがあって隠している。
晴信(眞島秀和)はお尻にブヨに刺されて雪乃に薬を塗って貰っていた。雪乃は記憶回復に関する治療を、真空に主治医となってして貰いたいと頼む。真空は初めての主治医となり、皆で喜びあう。
一本の電話が鳴る。隣村のキャンプ場で土砂崩れが発生。多くのけが人が出ている中で治療の優先順位を決めるトリアージ(優先順位つけ)をしてほしいとの要請がくる。
急いで現場に向かうことになった真空、太陽、朔だが、その様子を見て霧ケ谷は朔に「大丈夫…?」と声をかける。笑顔で応える朔だが、心配そうな霧ケ谷の様子に、何か知っているようだと悟る真空。
緊張感ただよう中、土砂崩れの現場に入った3人。年長者の朔は、患者の「大丈夫ということを信じるな」という指示のもと、命を救うために奔走する。そんな混乱の中、ある患者の「大丈夫です」という言葉に、思わず朔は「それはあなたが決めることじゃない!」と激昂する。
彼の脳裏には爆破事件で失ったなった妻・沙織(佐々木希)の姿が横切る。
「私が判断します」と言って治療にあたる。
CM
3人で車で帰り道、佐和子から歌の準備をしていると連絡を受け立ち寄る。4人でお茶しているとき、救急病院から「事故で命に関わる人はいなった、応急措置をした患者は精密検査を受けることになり、本人は感謝している」と連絡が入り、手を叩き喜び合う。4人で「カエルの歌」を輪唱する。
帰り道、太陽は尻にブヨに刺されたことを告白する。3人で、はしゃぎながら歩いて診療所に戻る。
「にじいろカルテ」第5話 俺以外みんな死ね!?ぱっつん看護師、涙の絶叫報告
虹ノ村に超人気バラエティ番組「ぽつんと診療所」がやってくる。テレビ取材に張り切る村人たち。
真空(高畑充希)は病のことや、この村にいることをまだ母親に伝えられていないのでテレビが東京で放送されるか気になる。
太陽(北村匠海)はテレビクルーのカメラマンが足から血を流していることに気づき、破傷風の予防接種をする。
佐和子(水野久美)の家で朔(井浦新)の涙を見て以来、なにか辛い過去があるのだろうと察しつつも、本人が言うまでなにも聞かないと決めた真空と太陽。
真空は、畑で作業をする朔を窓からじっと眺めながら何やら考える太陽を見かける。どこか寂しげな表情で「ちょっとうらやましいなぁ~オレはなにもないから」と呟く太陽に、真空はその意味を測りかねる。
足場から転落した男性が運び込まれる。肩の脱臼を3人で治療する。
太陽の様子がおかしいことを察した朔は、愛していた妻がショッピングモールの爆発事故で亡くなったこと、妻とは幸せな生活を送っていたことを雄弁に話す。
CM
その話を聞いた太陽は、さらに辛そうに顔をゆがめ、寒空の中を走る。真空は太陽が朔を心配していたことを話すが、モヤモヤしている理由は分からない。
CM
ジジーズ3人がベンチに並んで幽体離脱の話をする。
にじいろ商店に太陽宛てのシャンパンが届く。治療したカメラマンから届いたお礼だった。
虹ノ村が取材された「ぽつんと診療所」の放送日。にじいろ商店にいつものメンバーで集い、酒盛りをしていると、いつの間にか泥酔した太陽が、突如ブチ切れ始める。
「自分は正しいんだ。普通なんだ。自分には何にもないんだ。あんたらには、わかんねえんだよ…!」と言って寝込む。
テレビが放送される。太陽のインタビューでキャスターが「虹の村は普通なんですね」とコメントする。
CM
太陽は女性3人(嵐、雪乃、氷月)に呼び出され、村のラジオ放送のDJを依頼される。
それを知った真空と朔にイジラレル。
太陽の放送が始まり「俺以外みんな死ね~デス、デス・・」という過激な曲が流れる。村民は賛否別れる。
「どこがふつうなんだよ。よく看護師になれたな」と微笑みながら真空が呟く。
「にじいろカルテ」第6話 いま伝えたいことがある
ひとり、部屋でカレンダーを眺める真空(高畑充希)、もうすぐ母親の誕生日だ。いい加減、自分の病のこと、そして虹ノ村で暮らしていることを伝えなければ、と思うが、何度もメールを打っては消し、打っては消しを繰り返してしまう。
母に送るために村の風景、朔、太陽の写真をアナログカメラで撮る。
雪乃(安達祐実)の記憶を確認する定期診察の日がやってくる。自分の年齢、簡単な引き算、野菜の名前などの記憶テストを行うも難なく答える雪乃だったが、ふと「こんな簡単な質問が、答えられなくなる日がくるのかな」と不安な表情を見せる。「そうだと思います」と答える真空は、母に幸せな自分を見せるために雪乃の写真を撮らせてもらう。
泥だらけの日向(中野翠咲)が飛び込んでくる。息絶え絶えに「お母ちゃんとじいちゃんが」と告げる日向。スマホの動画には嵐と日出夫の会話が流れて様子がおかしい。
真空、太陽(北村匠海)、朔(井浦新)は慌てて診療所を飛び出し緑川家に向かうが、そこで嵐(水野美紀)・日出夫(泉谷しげる)が熱を出して倒れているのを発見する。
二人は高熱のため並んで頭を冷やしながら寝る。
日向を預かって欲しいと頼まれた氷月(西田尚美)は大喜びするが、その様子を見た霧ケ谷(光石研)は少し複雑な表情を浮かべる。
診療を終えた真空が突如、倒れてしまう。
CM
真空は自分の部屋で朔と太陽から点滴を受けながら「この部屋が一番好きと言う」。
男の子が真空にカブトムシの幼虫を持ってくる。
真空の回想:子供のとき、父が病院で亡くなるとき、医者になる決心を母に伝える。
寝ながら焦る真空。
夜、村人が20人診療所の前に集まり真空を励ますために合唱する。真空は感激して泣き出す。
CM
真空は階段の上に座り、寝れなくなったと言う。朔と太陽は真空のために階段の手すりを作る。
真空は母がひとり親でよく謝られたことを話す。病気のことを話すとまた謝られそうだと言う。
太陽は、「病気が良くなること以外あまり考えない方がよい」と言う。
真空は「病気になることは悲しいことばかりでないことはここに来て分かった」と言う。
朔は、「それをお母さんに話したらいいんじゃない」と言う。
CM
お腹が空いた真空は3人でドリアを「おいしい」といいながら食べる。
真空が復帰する。嵐
母の誕生日祝いに荷物を送り、多発性筋炎になったことを伝える。
母から「伝えてくれてありがとう。今幸せなのが写真からわかる」と返事が来る。
雪乃は自分の歳を答えられなくなる。
「にじいろカルテ」第7話 あと少しだけ時間をください
「あと、どれくらい?どれくらいしたら、私は何もわからなくなるの――?」
まだら認知症を抱える雪乃(安達祐実)は、定期健診で突如自分の年齢を答えることができなくなる。覚悟していた瞬間がまたやってきた、と真空(高畑充希)は姿勢を正し、晴信(眞島秀和)から託されていたノートの記録を雪乃に説明する。
症状が出始めてから何も思い出せなくなるまで約10日。その事実に、不安そうに瞳を揺らしながらも平静を装う雪乃を、真空は気分転換に「一緒に往診に行きませんか」と誘う。
朔(井浦新)、太陽(北村匠海)と共ににじいろ号に乗り込み、佐和子(水野久美)の家を訪れる真空と雪乃。
そこで雪乃は、1枚の婚礼写真を見つける。虹ノ村には、古くから伝わる“虹ノ洞穴”の伝統的な婚礼があった。今ではウェディングドレスが人気で隣町の結婚式場で挙げることが多いのだと語る佐和子。雪乃もその1人だったというが、結婚式の記憶がない雪乃は顔を曇らせる。
診療所に戻った真空は朔と太陽に「雪乃の気持ちが分かってんの?」のと訊くが答えが返ってこない。
その夜、にじいろ商店に村のみんなを召集する。「雪乃に結婚式したいんじゃない」と訊くと頷く。最初は戸惑う晴信だったが、愛する妻の願いを叶えたいと決意する。
途絶えていた村の伝統行事の復活に、じじーず(泉谷しげる、モト冬樹、半海一晃)は張り切る。しきたりにより、晴信は山の中の木の檻に結婚式の5日前から閉じ込められる。
CM
真空は未婚の女性の馬役として花嫁の世話をさせられる。
雪乃は檻の中の晴信に食事を運ぶ。
神体には勾玉が備えられる。
真空は雪乃をリヤカーで晴信の檻まで運ぶ。
雪乃は嬉しい気持ちの一方で、認知症の症状が進行していることに不安を抱く。
待合室は結婚式に参加しようと、足腰の悪い外科の患者で満員になる。
CM
結婚式の2日前、雪乃は檻の中の晴信と「愛してくれてありがとう」と言い合う。
CM
結婚式の1日前、男たちは餅をつき、女たちはご馳走を作る。真空は雪乃の写真を撮る。
当日、虹の洞穴で儀式が始まる。雪乃は花嫁衣裳を着ると感動して泣き出す。
結婚式が終わり、雪乃と晴信は、真空が撮影した、雪乃が自分を励ます動画と写真をスマホで見る。
記憶が薄れていく雪乃は晴信に「好感を持っている」と答える。
「にじいろカルテ」第8話 三角関係で嫉妬爆発!?
-謎の男、現る… アザに隠された正体
夜中にトイレから出てきた太陽(北村匠海)。リビングから何やら声が聞こえ、そちらに向かおうとしたところ、なんと真空(高畑充希)と朔(井浦新)が交じり合っている影を見てしまう。
衝撃を受け、思わず診療所を飛び出してしまう。
パジャマのまま、朝靄の山奥を1人歩き続ける太陽。2人のことを思い出しながら、自らの過去の嫌な記憶もよみがえる。飲み物を買ってベンチに座った太陽は、何もかも忘れるべく、イヤホンで大音量の音楽を聴いているうちに、眠りに落ちてしまう。
しばらくして目覚めると、ベンチの隣には、冷たくなり心肺停止になった見知らぬ男性が倒れている。
現場に駆け付ける真空と朔だが、応急処置も空しく死亡が確認される。連絡をもらった霧ケ谷(光石研)も立ち合い、診療所では警察が太陽の事情聴取など行い、亡くなった身元不明の男性が「自分の失踪した夫では?」と勘繰る嵐(水野美紀)や、雪乃(安達祐実)と氷月(西田尚美)もやってくる。
診療所の集まった4人と雑談しながら朝食を食べる。
「自分がもう少し早く気づいていれば、彼を救えたのではないか」と大声で自らを責めると、朔と真空は慰めて落ち着かせる。
霧ケ谷は“身元不明の男”の腕にあった痣から思い出し通報する。
CM
霧ヶ谷は小学生のとき東京から来たタケシを思い出していた。桐ケ谷の母は子を捨てて東京に行ったため東京から来たタケシを嫌っていた。しかし遺体はタケシではなかった。
CM
太陽は自分が抱えるモヤモヤを伝えられず、虹ノ村の仲間への不信感が募って行く。
CM
虹の村では太陽の誕生日のお祝い会を極秘に進めていた。太陽はかつて中学、高校のとき誕生日で仲間外れにあったことを告白し、仲良くしてくださいとお願いする。
真空は水臭い言い方が気に入らず、太陽への愛を熱く語り、抱きしめる。朔も抱きしめる。村人も集まり抱きしめる。
太陽の履歴書を読み違えて、3月3日が誕生日と勘違いしていたが、村人総出で誕生祝いの会を開催する。太陽は繰り出す余興に大満足。
夜中に真空と朔が交じり合っていた影は、この日の余興の練習をしていたのだった。
「にじいろカルテ」第9話(終)さよなら真空先生ーありがとうずっと大好き
虹ノ村に新たな住人がやってくる。
無口で愛想がなく、謎に包まれた1人の男性・藤田(柄本時生)。張り切りまくりの霧ケ谷(光石研)は、一軒の空き家を案内する。
虹ノ村の面々は、まもなく訪れる“のど自慢大会”の準備の話題で大盛り上がり。微笑ましく聞いていた真空(高畑充希)だが、嵐(水野美紀)から「真空ちゃんの分も申し込んでおいたよ」と突如言われて唖然。なんと真空、朔(井浦新)、太陽(北村匠海)の3人で虹ノ村診療所チームとして申し込み済みだという。有無を言わさず参加することが決定し、驚きつつも嬉しい真空。だが、時おり感じる手の痺れに、一抹の不安を感じ始める。
3人でのど自慢で歌う「虹」の練習をする。
診療所が「最近、暇ですよね」と太陽が言うと、朔は、あわてて医療ドラマではそう言うと忙しくなるのと予感する。
診療所に、もがき苦しむ藤田(柄本時生)がやってくる。霧ケ谷に抱えられ「足が痛い」とうめくものの、原因がわからず首をかしげる朔。休診日の真空(高畑充希)だったが、足の付け根が腫れあがっているのを見て痛風と診断し、食事をさせる。
そこへ更に、脚立から落ち、肩を脱臼したた西川が来る。
さらに木から落ちて足を骨折したまじょたく(池田良)が来る。朔と太陽はドリルを使って緊急手術する。
CM
何やら様子がおかしい佐和子(水野久美)も来る。手がしびれているようだ。真空は診断して降圧剤を投与する。太陽が佐和子を家まで送る。
藤田はお礼の書置きを残して帰宅する。
CM
のど自慢大会が開催され、診療所チームのみが予選を通過する。落胆する4チームの前できまりが悪い。
まじょたくが海の幸のご馳走を配達する。3人が笑いながら食卓を囲んでいると、突然真空の表情が一変。そのまま床に倒れ込んでしまう。
窒息しそうになり苦しみながら何かを話そうとする真空。危ない状態となり救急車で病院に搬送する。
救急車の中で朔は「来ちゃったなこの日が・・少し長い入院になると思う。『診療所で働くのは無理』と言われても絶対帰ってこい」という。
太陽は涙を流しながら「真空さんが必要なんだよ」と言う。
2人は真空の頬にキスをすると、苦しみながら真空は「また負けた」と言う。
真空がいない診療所に戻る。真空先生休診の張り紙をする。朔は寂しげな男の子に真空のペンを渡す。
のど自慢大会で真空が歌っている「虹」の録画を村人が集まってみる。「雨が降らないと虹が見えない」と前置きして歌い出す。(これまで真空が活躍したシーンが流れる)
皆、涙をこらえて見る。
虹の村のバス停から、電動車いすに乗った真空が下りる。
待ちかねていた朔と太陽。真空は「ただ今」という「おかえり」と言って、特注の電動車いすに感動する朔と太陽。
立ち上がった真空は診療室に入り、過去に患者と交わした会話を思い起こす。
「病気って面白い、病気をしてなかったらみんなに会えなったし」
雪乃や嵐も集まり抱き合って歓迎する。
真空は診断を開始する。車椅子は体力を温存するために使っている。
山に囲まれた野外で3人で食事する。