4K・8K時代における放送対策 総務省 吉田 眞人

テレビ事業者のネットへの挑戦とテレビの空き周波数帯の活用

4K・8K時代における放送政策

通信放送week2019
4K・8K映像技術展 基調講演7月18日(木) 10:00  11:30 @青海展示場

世界初の4K・8K実用放送の開始を受けた放送政策について紹介する。

講演者:総務省情報流通行政局長
吉田 眞人

京都大学法学部卒業後、1985年4月、郵政省に入省。
2018年に総務省国際戦略局長を経て、2019年7月から現職。

テレビ離れが止まらない

米国では、ネットの広告が2013年テレビの広告を抜いた。日本では2019年にはネットの広告がテレビ広告を抜く見込みだ。

広告の全体量は増えていて、ネットで配信される広告の増加が大きい。

テレビの視聴時間は平均3時間に対して、ネットの視聴時間は2時間50分とほぼ同じである。

2018年12月から衛星放送で4K8Kが開始

4Kテレビの普及はテレビ全体の1割である。

地上波テレビは当面2Kを継続する。

国は、将来に向けての地デジの4K8K化を推進する。

通信速度の5G化は、2020年から商用化する。

NHKのあり方

NHKは、今回の放送法の改正でインターネットを活用できるようになった。

NHKは、テレビとネットと同時配信する準備をしている。

NHKは財源が受信料なので、民間マーケットに浸食しないようにする。

放送用周波数の割り当てV-high帯

アナログテレビで利用されていた、V-High帯をドコモがマルチメディア放送として利用していたが、行き詰まり撤退した。

現在、V-High帯は空いている状態なので、その後の使い道について実証試験をしている。

国内の放送事業者の経営基盤を強化する

NETFLIX見られる海外の強大な事業者に匹敵できるようにする。

国内の放送事業者がNETFLIXのような海外の強大な事業者に食われないようにする。

地上放送は社会システムの安定には欠かせない。

ユーザーはネットよりもテレビの方が信頼性があると感じている。

民間テレビ局がネット進出す時のビジネスモデルがまだ見つかっていない。

国は「TVer」で各テレビ局共通のプラットフォームを作っている。

ラジオの経営困難

AMラジオは利用者が激減して、経営難になっている。

AM放送は、利用者が激減しているが、災害時には必要な放送。

AM放送の音質の悪さを改善するためFM電波で補完していく。

AM電波の広範囲に届く特性とFM放送をハイブリッド化する。

まとめ

地デジ(地上デジタルテレビ放送)は当面2Kだが、いつか4K・8Kになる。

テレビ局はインターネットのビジネスモデルを構築しないと生き残れない。

NHKは民間テレビ局の発展の邪魔になってはいけない。

関連リンク

4K8K新時代におけるNHKの取組み

日本の5G戦略と映像産業へのインパクト総務省 片桐 広逸