日本建築史~竪穴式住居・伊勢神宮から桂離宮まで~和の建築

先史時代

縄文時代 -BC1000年

竪穴式住居

弥生時代 BC1000-400年

高床建築 倉庫。伊勢・出雲大社に影響
住居は竪穴。

末期、大陸から漢字が伝わる。

古墳時代 300-600年

仁徳天皇陵
5世紀。全長486m 高さ35m

飛鳥時代 550-700年

伊勢神宮
7世紀末、古事記日本書紀の時代。20年ごとに造り変える。仏教建築が入ったあとでも、古来の様式を残す。

仏教建築
550年 中国・朝鮮から仏教が伝来し、寺院建築が造られる。次第に日本独自の形に変化。建て直すとき、最新の様式に変える。 ひとつの寺院で異なる様式の建築が共存する。

法隆寺金堂・五重塔
607 創建(若草伽藍)。670 火災焼失 。
708 再建。世界に現存する木造建築最古。北魏の様式。

奈良時代 700-800年

薬師寺三重塔

730建立。各層に裳階(もこし)という小さい屋根。東洋美術史家・フェノロサが、「凍れる音楽」と絶賛。

東大寺法華堂

747 ごろ 建立。軒を接して正堂と礼堂の 2 棟が並ぶ。鎌倉時代に礼堂を改修し、屋根を一体化。

唐招提寺金堂

759  鑑真によって建立。鎌倉時代に大修理。裳階付がなく、シンプルな造形。

平安時代 800-1200年

建築様式は日本化し、和様とよぶ。柱は細く、天井を低い。

平等院鳳凰堂

1053、創建。地上に出現した極楽浄土。

鎌倉時代 1200-1300

中国との交流がさかんになり、再び、中国の様式が入る。

東大寺南大門

大仏様:東大寺大仏殿再建に採用された構法。1199重源が再建。

室町時代 1300-

円覚寺舎利殿

室町時代中期(15世紀)。禅宗様。

慈照寺銀閣

1482、足利義政の山荘。庭園と一体化したデザイン。

江戸時代 1600-

姫路城

1609、池田輝政修築。白鷺城。

 

東照宮

1617 徳川家康の霊廟。

桂離宮

1624 智仁親王創建。

清水寺本堂

798 創建。1633 徳川家光再建。

住居

寝殿造

平安時代貴族の住まい。
分棟配置のフレキシブルな多目的空間 置き畳 可動間仕切り

書院造

室町時代、貴族の住宅にあこがれた武家が生み出した空間。
儀礼の場 権威を表す。 畳敷、 障子、 床の間、角柱。

草庵茶室

如庵:1618 織田有楽斎。4畳半が標準。

数寄屋造

書院造をベースに 茶室の影響を受け、自由で 洗練された空間へ。

合掌造り

日本建築の特徴

気候と木材

日本の気候は、冬の寒さ・夏の暑さが堪え難いというほどではなく、四季に恵まれた気候。降水量が多いので、木が育ち森林が多い。

木造建築

・地面に木の柱を立て、上に梁を渡す構造。架構の上に屋根をかぶせ、草を葺く。彩色を施さず、木材の肌がそのまま意匠となる。

・西欧建築に用いられる、石・レンガの壁構造に比べ、木造建築の経年劣化は、速い。

・木材建築は、燃えやすく、火事や戦乱で、焼失しやすい。

特徴

・日本は、大地震による損傷を受けやすいので、巨大なものは造れない。

・伊勢神宮、出雲大社は、技術の伝承のため創立時の形で、定期的に建て替える。

・中国、朝鮮から伝わった寺院建築は、時を経て次第に和様化していく。

・和の「侘び、寂び」の感性を空間化したのが、茶室。

関連リンク

西洋建築史 古代ギリシア~ロマネスク~ゴシック~ルネッサンス~バロック