コロナ最新状況ー抗体検査の陽性率は0.6%ー厚労省







抗体検査の陽性率は東京で0.6%ー厚労省

加藤勝信厚労相は5月15日の記者会見で、東京都と東北地方で行っていた新型コロナウイルス感染症の抗体検査の結果、東京都の陽性率は500検体で0.6パーセント、東北6県は500検体で0.4パーセントだったと発表した。

抗体検査が陽性であってもウィルスを持っていないので、感染させることも、感染することもない。欧米では抗体検査が陽性の医療従事者は、優先的に現場に配置されている。

5月15日 東京、日本の指数関数近似は減少

5月14日 緊急事態宣言39県解除ー21日全解除か?

5月14日専門家会議

政府の「東京や大阪など8つの都道府県を除く、合わせて39県で解除する方針」を受け入れた。

コロナ専門家会議は、緊急事態宣言を解除する明確な指標をまだ発表できていない。

コロナ会議5/14資料

コロナ会議5/14資料

5月13日までの新規感染者の推移と予測

日本と東京の指数関数近似では、実効再生産数が1以下なのでフラットになりもう成り立たない。

日本と東京は、(一時的に)収束に向かっている。

 

山中伸弥の証拠(エビデンス)があり、正しい可能性が高い情報

病態


・国、地域により致死率異なる(5月1日のデータ)
  世界全体:7.1%
  韓国:2.3%、日本:3%、ドイツ:4%
  アメリカ:5.8%、中国:5.5%、
  スペイン:10%、フランス:14.5%、イタリア:14%、イギリス:15.7%
・感染後、症状が出るまでの潜伏期間は1から17日とばらつきがある(平均は5~6日程度)
・感染しても30~50%では症状が出ない(無症候の割合はもっと高い可能性もある)
・感染してもPCR検査で陰性となる場合がある
・発症しても多くの場合は発熱や咳などの軽症
・高齢者や持病を持つ患者を中心に一部の患者では肺炎等で重症化、致死率も高い

感染

・一人が何人に感染させるか(再生産数)に関して、何も対策がなく誰も免疫を持っていない時の基本再生産数(R0)は2以上、しかし、公衆衛生上の対策により有効再生産数は1未満にすることが出来る。
・咳等の飛沫とドアノブ等を介しての接触で感染する。
・集団感染(クラスター)が世界各地で報告されている。
・クラスター以外(家庭内など)でも感染する。
・症状がなくとも、他の人に感染させる場合がある。

対策

・手洗いやマスクしていても感染することがある。
・ワクチンはまだ開発されていない
・効果の証明された治療薬はない

山中伸弥HP

各県の最新の実効再生産数

日本の各県の実効再生産数の最新情報サイトが公開されています。

Rt Covid-19 Japan

米国各州の実効再生産数の図と同じ表記になっています。Rtのエクセルによる計算プログラムが公開されています。

5月10日現在では、鳥取県、島根県、香川県以外は1以下になっています。東京は最低の0.26となっています。

感染者数の減少に伴って自粛要請の緩和に関心が集まっていますが、緩和に当たってこの指標は見逃せません。

コロナ本部の今後の感染見通し

5月1日新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(コロナ本部)が「状況分析・提言」を公表しました。

第2波が到来することになっている

専門家委員会(コロナ本部)5月1日

インペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)の見通し

コロナ本部資料

ハーバード大学(米国)の見通し

コロナ本部資料:右図の感染者が0.5になると集団免疫を獲得


コロナ本部が公開した資料は、今回のピークの後に第2、3・・波が続いて発生すると予測している。

2021年以後も続くので、政府は新しい生活様式への変容を促している。

その間に緊急医療用の病床の増加、ワクチンの開発をして重症化しないようにする。

4月30日までの日本の新規感染者

日本の実効再生産数は1.05まで低下した。

解析によっては1以下となることもあるが、免疫獲得数は20%以下なので増加することに変わりがないので、本解析では3月17日を起点にして指数関数に近似させている。

予測の曲線は現在の自粛が維持されていると設定した場合で、自粛が緩めばピークの高さは増加する。

緊急事態宣言を1か月延長決定

政府は5月6日までの緊急事態宣言を1か月延長すると発表した。

 

April 29 nyt

Apr. 25  


4/25 日本の実効再生産数はさらに低下

日本の再生産数は低下を続けているが新規感染予想は2カ月後最大で5700人、東京は1.5か月後で900人と依然高い。

来月6日までの緊急事態宣言を全面的に解除するのは難しいだろう。

4/22 新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の状況分析・提言

専門家会議HP

4/24 日本の新規感染は2カ月後最大で1100人、東京は1.5か月後で1000人

4月23日までのデータでは、実効再生産数は日本、東京ともに1.075.

日本の新規感染は2カ月後最大で1100人、東京は1.5か月後で1000人と推定される。

ニューヨーク州のクオモ知事は、住民3000人に実施した新型コロナの抗体検査の結果、13.9%に陽性反応が出たと発表した。ニューヨーク市に限ると21%だった。

東京の慶応病院ではコロナ以外の来院者67人のPCR検査で6%が陽性だった。

どちらの結果も、予想以上に市中の感染率が高いことを示唆している。

4/23 米国各州の実効再生産数を公表

米国の再生産数公表サイト

Instagramの創業者(ケビン・シストロム)らは米国の州ごとの実効再生産数Reの推移を表すサイトを立ち上げた。

実効再生産数は、1以下になると感染が収束に向かうことを示す。経済活動を再開するときの指標として使える。

現在、ニューヨーク州は0.9で1以下となっている。カリフォルニア州は1.19に上昇した。

日本、東京の実効再生産数は減少

日本と東京の実効再生産数は、4月17日は1.1だったが、22日には日本は1.07、東京は1.08に低下した。

4/20 数理モデル

感染症モデルでは、基本再生産数を仮定する。

COVID-19は基本再生産数は2-2.5と言われている。

西浦HP

NYT

これまでの感染状況から、日本での基本再生産数は2くらいと言われている。

4/19 新型コロナ1年で収束せず  専門家は厳しい見方

国民の大半が感染して抗体を有する『社会的免疫』が成立するまで、あと1~2年はかかるだろう。

緊急事態宣言などの措置も免疫成立までの患者数の増加スピードを抑えて、医療組織を破綻させないための対策でしかない。

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症のクラスター対策班、西浦博北海道大学大学院教授は、昨日のNHKの番組でこの状態は1年以上続くと説明した。

4/17 新型コロナウイルス感染症のピークは1か月以上後

2020年3月17日から4月16日までの日本と東京の新規感染者数のデータを用いてシミュレーションで予測した。

実効再生産数(Re)は、日本、東京都とも1.1で共通している。

新規感染者のピークは1か月以上あとで、日本では2万人、東京では2000人を超える。

covid-19は、世界的には基本再生産数ROは2以上と言われている。

基本再生産数Ro、実効再生産数Reと免疫率%の関係

covid-19の基本再生産数(RO)が2とすると人口の 50%が感染して免疫を獲得しないとピークに到らない。

中国や欧米ではピークを過ぎているようだが、50%以上が感染していない。

最初からかなりの人が免疫を持っているのでこのまま収まるのか、第2波、3波がくるかは不明である。

4/16 安倍首相、緊急事態宣言を全国に拡大

政府は「緊急事態宣言」の対象地域を全国に拡大した。

新型コロナの日本は感染者の数、増加の速さは外国と比べ小さい。

重症患者に対する医療の対応は維持されている。

各国の感染者の推移

トランプ大統領はアメリカのピークは越えたと述べた。

米国の感染者は63万人を超えている。 上の図の縦軸は対数目盛。

4/15 日本の新規感染者数の予測

日本の新型コロナの新規感染者の実効再生産数Reは、1.1で1よりも大きいので、現在アウトブレーク中であると判断される。

 

4/13 世界の新規感染者はピークか?

日本、東京の新規感染者数は減少した。

new york times HP

4/12 東京と日本の増加トレンドの検証

日本全体の新規感染者の増加率は、東京よりも大きい。

日本経済新聞記事4月12日

RO: reproduction number (基本再生産数)COVID-19は、RO=1-2.4

RO=2の場合

4/11 ニューヨーク市、4月10日まで9万人感染

ニューヨーク市では、4月10日まで9万人感染しています。

4/10 東京都、休止要請施設を発表

休止要請に協力にした事業者へ金50万円を支給。

東京都の4月10までのトレンド曲線(指数関数)

4/8 東京最多の144人感染

東京都の感染者の推移

昨日の「緊急事態宣言」をうけて、東京都は休業を要請する業種について国と調整している。最終的な決定は10日(金曜日)の見込み。

4/7 安倍首相、緊急事態宣言を発出

新型コロナ感染者の急増受けて政府は緊急事態宣言した。
期間は4月8日から5月6日まで。必要がなくなれば途中で解除する。

対象は、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県。

人との接触を7~8割減らすように要請した。

ロックダウン(都市封鎖)はしない

鉄道、道路の封鎖、外出禁止の強制はしない。

具体的な措置は都道府県知事が決める。

食料品店や金融機関などライフラインを支える事業者は業務を継続を認める。

スポーツジムやライブハウスなどには営業の自粛を求める。

学校の休校や、百貨店や映画館など多くの人が集まる施設の使用制限などの要請や指示をする。

朝日デジタル

4/2 東京 世田谷区が感染者数最大67人

 

4/1 コロナ 小中高の新学期は5月7日から 東京都が調整開始

3/31 都内、国内の感染状況

 

東京都

国内の感染率 (要請患者/検査件数=)4.9%

国内

3/26 現金給付5月から所得減世帯に

3/25 東京都週末は不要不急の外出自粛

タレントの志村けんさん(70)は、新型コロナの陽性であることが分かった。事務所によると重篤な状況ではなく、近親者が付き添っている。

3/24  オリンピックは1年延期ー安倍首相

東京都内で確認された新型コロナウイルスの感染者数が24日の集計で170人前後となり、北海道を抜き都道府県で最多となる。

3/23 米からの入国制限 26日から2週間待機

3/22 外務省 米国全土の危険度をレベル2に引き上げ

3/18 外務省 全世界の感染症危険度をレベル1と発出

3/20 小中高の一律休校要請を新学期から解除

3/19 国の専門家会議発表 コロナの感染拡大は止まっている

 

3月19日、国の専門家会議は、政府がコロナウィルス対策としてとっている集団免疫体制が成功して、実効再生産数はおおむね 1 程度で推移していると発表した。

 

 

3/18 厚労省クラスターマップ再公開

 

 

厚生労働省は全国で発生したクラスタ(感染者の集団)を地図にまとめ、ホームページで公開した。

大分県からクレームがつき、一時削除されていたが再開した。

 

3/18 政府給付金を検討

3/20 国内外の発生状況

3/14 安倍首相、緊急事態宣言を出す状態でない

安倍首相は、記者会見で緊急事態宣言は今は出す状況でないと説明

 

日本は感染は抑えられている。現在は緊急事態宣言を出す状態でない。

感染率は0.06/1万人で諸外国より低い。80%が軽症、半分は回復している。

密封空間で感染している。

子どもが屋外で運動するのは良い。

3月中にPCR検査を1日8千件まで上げる。

人工呼吸器3000個を整備する。

アメリカ、ヨーロッパと協力して治療薬を開発する。

オリンピックの開催

オリンピックの開催は予定とおり開催したい。

WHO、IOCと緊密に連携して準備を進めたい。

経済対策

助成金、融資制度を新設した。

新型コロナウイルス緊急対応策 助成金・融資制度

新型コロナウイルス緊急対応策 助成金・融資制度を利用しよう!

観光飲食関係が厳しいのは承知している。

消費税引き下げて5%にするという自民党若手から提言があった。

消費税減税の提言などを踏まえながら間髪を入れず実施する。

これからの方針

爆発的な感染を抑え、ピークを延ばす。重症者の治療ができるようにする。

3/11 WHO(世界保健機関)パンデミックを宣言

3月11日、WHO(世界保健機関)は、コロナウイルスが「パンデミック(世界的な大流行)」であると宣言した。

中国は沈静化、イタリアは増加

 

感染率はイタリア、韓国が高い

3/10 政府、休校・イベント中止要請

政府からの要請は法的な強制力がないが、特別の理由がなければ従わざるを得ない。

3月10日、安倍総理イベント中止要請

安倍総理は国民に対し、3月20日まで全国規模のイベントについては中止、延期、規模縮小等の対応を要請した。

行政手続の期限延長

確定申告の期限を4月16日まで延長する。

運転免許の更新手続きや、ケアマネージャーの資格更新の研修などが困難な場合は一定期間失効しない措置を講じる。

全国の小学・中学・高校3月2日から1か月全国休校を要請ー首相

 

多数が集まるスポーツ、文化イベントは、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請

イベント中止期間「3月15日まで目安」 文科相

国立劇場、国立演芸場、国立能楽堂、国立文楽劇場の主催公演は中止

 

スポーツの延期、無観客試合 一覧 NHK

スポーツの延期、無観客試合 一覧 NHK

大相撲は無観客開催

日本相撲協会は、大相撲三月場所を「無観客開催」とした。

大相撲三月場所:期間:3月8日(日)~3月22日(日)@エディオンアリーナ大阪

NHKの実況中継は実施する。

国立博物館休館

全館臨時休館のお知らせ 2020年2月27日~3月16日

このたび政府の要請により、新型コロナウイルス感染防止のため2月27日(木)から3月16日(月)まで休館いたします。
その後の予定につきましては、あらためてお知らせいたします。
当館の展示を楽しみにして下さっている皆様には申し訳ありませんが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

特別展、総合文化展ならびに催し物、施設に関する状況はそれぞれ、下記の通りです。

特別展 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
2020年2月26日(水)をもって閉幕いたします。

ユネスコ無形文化遺産 特別展「体感! 日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」   調整中

特別展「法隆寺金堂壁画と百済観音」
開幕日を変更いたします。
旧)2020年3月13日(金) ~
新)2020年3月17日(火) ~

特別展「きもの KIMONO」現在のところ変更はありません。

特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」現在のところ変更はありません。

総合文化展
各展示室の展示期間は現在公開中のままとなります。
休館中に展示期間が終了する展示室は、3月17日(火)から新しい展示内容になる予定です。

「博物館でお花見を」の実施期間は現在公開中のままとなります。
臨時休館にともなう期間の延長は予定しておりません。

症状が軽い若い世代が感染を広めるー北海道

3月2日現在、北海道での患者は71人と他県と比べ高い。

北海道は潜在的に患者は900人に上ると推測されている(NHKニュース)。軽症の若い世代が、自分が感染していることを知らずに行動して、感染を広げている可能性が高い。

3/3 政府、感染の特徴を発表

一定条件を満たす場所からの感染拡大

これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。
一方で、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。

具体的には、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、 スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等です。

重症化する患者さんについて

これまでにわかってきたデータでは、感染が確認された症状のある人の約80%が軽症、14%が重症、6%が重篤となっています。

しかし、重症化した人も、約半数は回復しています。

2/24 新型コロナ専門家会議が蔓延を警告

この1~2週間の動向が、国内で急速に感染が拡大するかどうかの瀬戸際であると考えています。そのため、我々市民がそれぞれできることを実践していかねばなりません。
特に、風邪や発熱などの軽い症状が出た場合には、外出をせず、自宅で療養してください。

感染拡大は空気がよどみがちな閉じた環境 新型コロナウイルス

 

 

2/24 堀江貴文、日本国内のコロナ反応に「騒ぎすぎ」

 

ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏(47)が、新型コロナウイルスに対する日本国内の反応は「過剰」だとし、「不必要に怖がっているように見えます」と私見を述べた。(日刊スポーツ)

堀江氏は24日、「コロナウイルスへの対応が過剰な件について」と題した動画をユーチューブにアップ。感染を心配するネットの声などについて「騒ぎすぎ。正直、普段からウイルスを蔓延させやすいような所にいる人とか、インフルエンザワクチンとかを打たない人たちが大騒ぎしているのが、本当に滑稽でしょうがない」と、満員電車を利用したり、不特定多数の人が集まる場所に行く人を批判し、食事や睡眠をしっかりとって免疫力を高めるなどの対策をすべきだと説いた。

また、渡航した海外と比べて、日本は新型肺炎に対する反応が過剰だとし、「情報弱者の人たちがマスコミに煽られて不必要に怖がっているように見えます」と堀江氏。大規模イベントの中止が相次いでいることについて、「健康な成人しか集まらないようなイベントを中止にするのはやめたほうがいいんじゃないかな」とした。

さらに、元「2ちゃんねる」管理人として知られるひろゆき氏がツイッターで、感染防止のために「飲食店の原則営業停止」などを提案したことにも言及。「飲食店を営業停止にしちゃったら大変だよ。政府が補助金とかをバンバン出さないと潰れる飲食店が山のように出ますよね。そうしたら自殺者がどれだけ出るか、想像してみてください」と異論を唱え、「多くの人たちは、満員電車に乗ったり、がちゃがちゃした場所に行ったりとか、睡眠や栄養を十分にとらなかったりとか、まずはその対策をしなさいよ」と繰り返した。

新型コロナウイルス感染症の臨床経過ー堀江隆文、高山義弘のFBより

2/16 新型コロナウイルス感染症の臨床像について分かってきた

高山義浩さんのフェースブックから
2月16日 11:36
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床像について、おおむね分かってきました。敵を知ることで、戦い方も見えてきます。そのための封じ込め(時間稼ぎ)でしたから、まずは発生初期における目的に至ったと言えます。次は流行の立ち上がりに向けて、個人、家庭、学校、施設、病院、事業者・・・ それぞれに必要な備えをとりましょう。

新型コロナに感染したときの臨床像の2パターン

まず、風邪症状が1週間ぐらい続いて、そのまま軽快するというもの。この経過をとる人が大半です。新型コロナといっても、重めに発症するわけではありません。ほんとに風邪です。ただ、普通の風邪は2,3日で治りますが、新型コロナだと長引くのが特徴です。

次に、風邪症状が1週間ぐらい続いて、倦怠感と息苦しさが出てくるもの。体がむくんだり、下痢が重なる人もいるようです。高齢者や基礎疾患のある方において、この経過をとる人が多いのですが、健康な壮年層にも見られることがあります。一方、この経過を子どもがとることは極めて稀とされています。

感染してから発症するまでの潜伏期間は5日(1-11日)ぐらいで、入院を要するほどに重症化するのは、さらに10日(9.1-12.5日)経ったころだと見積もられています。感染力が強いのは、発症から3~4日目ぐらいだと考えられていますが、重症化すると感染力も維持されて院内感染を引き起こしやすくなっています。

若者と高齢者で臨床経過が異なる

若者と高齢者で臨床経過が異なるので、重症化率と致命率についても世代別に考えた方がよいと思います。いまだ、世代別の疫学報告はありませんが、私個人のざっくりとした印象で言うと・・・、若者の重症化率と致命率は、統計的に見れば、ほぼゼロ%でしょう。一方、感染した高齢者の1割ぐらいが重症化して、1%ぐらいが死亡するのではないかと感じています。これは、やや甘めの見積もりであって、要介護高齢者や入院患者では、さらにリスクが高まるものと考えてください。

私たちは何をすべきか

というわけで、これから私たちは何をすべきか。もはや、流行を抑止することは主たる目的ではなくなってきました(やれることはやるべきですが)。むしろ、重症化する人を減らし、とくに新型コロナに感染して死亡する人をできる限り減らすことに力を注ぐべきです。

高齢者や基礎疾患のある人に感染させない

つまり、高齢者や基礎疾患のある人に感染させないようにしましょう。そして、院内感染を防ぎましょう。これに尽きます。なお、基礎疾患のある人とは、糖尿病や高血圧、腎臓病など慢性疾患があって、定期の内服薬を要する人だと考えてください。以下、これらの方々をハイリスク者と呼びます。

ハイリスク者がいる家庭では、ウイルスを外から持ち込まないように、玄関先にアルコールを置いて帰宅時の手指衛生を徹底してください。アルコールが手に入らないなら、おしぼりでもいいです(やらないよりはマシ)。とにかく、ドアノブなどあちこちを触ってから、洗面台に行っても手遅れだってこと。

同居する家族が風邪をひいたら、ハイリスク者と接触しないよう症状が治まるまで家庭内で隔離してください。そして、風邪をひいている人が部屋を出るときは、マスクを着用させて、アルコールで手指衛生をしてください。部屋の外では、できるだけ余計なものは触らないこと。トイレに行った後は、触った場所をアルコールを染みこませたペーパータオルで拭うこと。お風呂は最後に入ること。バスタオルは絶対に共用しないこと。

こうした対応を発症してから7日間は頑張ってください。それが困難であるなら、一時的にハイリスク者を親族の家などに疎開させることも考えてください。

救急外来を受診することは避ける

なお、風邪症状に過ぎないのに新型コロナかどうかを確認するためだけに、救急外来を受診することは避けてください。そこには、体調を悪化させたハイリスク者がたくさん受診しているのです。彼らへ感染させないように協力してください。また、救急外来には新型コロナの重症患者もいるかもしれません。あなたが「ただの風邪」だったとしても、救急外来を受診することで新型コロナに感染して帰ってくることになるかもしれません。

感染管理する

流行期には、ハイリスク者の方々が人混みを避け、なるべく自宅で過ごしていただくことも大切ですね。感染リスクのある病院に行く回数を減らすためにも、1カ月おきの外来受診を3カ月おきなど、長期処方とともに予約延長してもらうことも考えられます。かかりつけの先生に相談してみてください。

高齢者施設の感染管理は極めて重要です。100人の入所者がいる施設で新型コロナがアウトブレイクした場合、30人以上が発症し、10人以上が救急搬送を要して、数人がお亡くなりになるというイメージが必要です。このような事態を避けるためにも、全力で感染管理に取り組みましょう。

まず、外から持ち込ませないこと。流行期にあっては、原則として面会はすべて中止。物品の搬入なども玄関先で行います。どうしても入らなければならないのなら、玄関先でアルコールによる手指衛生を行って、トイレも含め共用の場所には立ち入らないように求めます。

職員についても、当然ながら玄関先で手指衛生。そして、毎朝の検温と症状確認を自己申告ではなく、管理者による指差し確認を行います。もし、軽微であっても症状があれば、絶対に休ませてください。絶対にです。勤務中であっても症状を認めたら、絶対に休ませてください。もう一度言います。絶対にです。

なお、流行期においては、出勤できる職員数が半減することも想定しなければなりません。このとき、すべての業務を継続させようとしたり、現場の判断で場当たり的に仕事をさせるのではなく、優先的に継続させるべき中核業務を決定しておくことが必要です。入居者の協力のもと、どこまで業務をスリム化できるかが勝負です。

一方、悩ましいのは通所サービスですね。ここでの感染管理を徹底することは不可能でしょう。デイケアやデイサービスをどのように運用するのか・・・。最善の方法は、流行期にはすべて休止させることです。

もちろん、その分、訪問系サービスを充実させる必要があります。通所サービスの職員に、利用者宅を巡回させるなど工夫してください。これは事業者だけで解決できる問題ではないので、市町村が主導するなどして、どうすべきかを急ぎ話し合っていただければと思います。いま、話し合ってください。

【追記1】ここに紹介した文章も図表も、著作権主張しません。ー高山義浩

皆さん自由に使ってください。それぞれの現場の実情に応じて改変されるのも自由ですが、その際は私の名前を引用元としないよう御配慮ください。
【追記2】神戸大学の岩田先生より、冒頭の段落において「達成した」としたのは「成功した」という印象を与える恐れがあるとの指摘がありました。政府が行ってきた検疫強化などの封じ込め策には、エビデンスを収集するための時間稼ぎという目的があります。しかしながら、その目的に「至った」のは、政府による封じ込め策による成果とは言いきれず、あるいは中国や日本国内の医療者からの迅速な臨床情報の提供など、様々な要因によるものだったと考えられます。また、政府の施策が妥当であったかについては、今後の検討を要することだと思います。そこで、ご指摘に従って「達成した」を「至った」と改めました

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