構造展 -構造家のデザインと思考-上映会-建築倉庫ミュージアム







寺田倉庫が運営する建築模型に特化したミュージアムで開催された構造家のインタビュー上映会

建築倉庫ギャラリー・入り口は一見わかりにくい

構造展 -構造家のデザインと思考-

@建築倉庫ミュージアム 天王洲アイル

日本の構造家50名の思考とデザインに迫った模型・パネル展示

構造家/主な出展作品
■内藤 多仲/東京タワー ■武藤 清/霞が関ビルディング ■坪井 善勝/国立代々木競技場■松井 源吾/東光園 ■木村俊彦/千葉県立中央図書館 ■川口 衞/富士グループ・パビリオン■斎藤 公男/出雲ドーム ■播 繁/長野市オリンピック記念アリーナ■中田 捷夫/雲の上のギャラリー ■新谷 眞人/TOD’S表参道ビル ■梅沢 良三/IRON HOUSE■金田 勝徳/洗足の連続住宅 ■佐々木 睦朗/せんだいメディアテーク ■山辺 豊彦/正田醤油本社屋 ■飯嶋 俊比古/ecoms house ■今川 憲英/鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム ■金箱 温春/国営昭和記念公園花みどり文化センター ■徐 光/いちとにぶんのいちView ■稲山 正弘/東京大学弥生講堂アネックス■渡邉 竜一/三角港キャノピー ■竹内 徹/東工大学附属図書館 ■柴田 育秀/Ribbon Chapel■陶器 浩一/竹の会所 ■池田 昌弘/ふじようちえん ■鈴木 啓/塩尻市市民交流センター ■多田 脩二/工学院大学弓道場・ボクシング場 ■山脇 克彦/HIGO■金田 充弘/ぎふメディアコスモス ■小西 泰孝/上州富岡駅■佐藤 淳/ツリーハウスプロジェクト■名和 研二/潜水士のためのグラス・ハウス ■満田 衛資/カモ井加工紙mt新倉庫 ■山田 憲明/大分県立武道スポーツセンター■大野 博史/Ring Around a Tree ■坪井 宏嗣/古澤邸■森部 康司/熊本県立球麿工業高等学校管理棟 ■桝田 洋子/行橋の住宅■萩生田 秀之/新豊洲ブリリアランニングスタジアム ■金田 泰裕/Todoroki House in Valley■向野聡彦/ホキ美術館■小西厚夫/東京スカイツリー■村上博昭/立教大学ロイドホールW350 ■細澤治/しもきた克雪ドーム■渡辺邦夫/東京国際フォーラム ■川口 健一 ■萬田 隆

入場料3,000円。平日の夕5時過ぎに入館したが、学生らしき若い男女がいて盛況だ。

上映会 「構造展 -構造家のデザインと思考-」

2019年10月11日19:00- 追加料金500円

模型展示場内にスクリーンを立てて、展示場内で常時上映されているビデオを追加編集した90分の構造家インタビューの上映会。

このDVDはショップで3000円で売られていた。

上映会の観客は5人程度。

構造家のインタビューを話題ごとにまとめている。

話題としては、構造家と建築家とのコミュニケーション、素材、イノベーション、施工者とのやりとりなど。

構造家にも美学があると冒頭に説明があったが、インタービューの内容はは皆、「建築家の想いを実現させる」いった現実の繰り言ばかりで、美学とは程遠かった。どの構造家も実現させるための強い信念があるのが分かったが、それが美学と言えなくもない。

インタビューの撮影は構造家の事務所で行われている。どのオフィスも広くて働きやすいように見えた。一昔前の狭くて雑然とした構造事務所とは違い羨ましい環境だ。構造家の社会的な地位が上がり、報酬も恵まれているのだろう。

構造家と建築家

構造家は建築家の仕事の構造計算を引き受ける。

構造家と有名建築家の組み合わせ

坪井善勝と丹下健三。

松井源吾と菊竹清則、黒川紀章、内井昭三。

佐々木睦朗と磯崎新、伊東豊雄、妹島和世。

中田捷夫と初期の隈研吾。

金田泰裕と田根剛。

松井源吾の展示

松井源吾のパネルには構造計画は術で、数学と力学で考察された<形>を提言すると書かれていた。

まとめ

大学では人気の薄い構造であるが、これを見ると建築構造の面白さが伝わってくる稀有な企画だった。

関連サイト
日本の近代建築を支えた構造家たち 国立建築博物館

構造を知るための基礎知識

 建築の構造って?

建物の構造は、人に例えると理解しやすい。人間にとっての皮膚は、 外観であるガラスや壁の仕上げ。血管や神経などの内臓は、空調設備や電気配線などの設備。そして骨の役割を果たすのが建築の構造と呼ばれる部分。人間と同じように、その骨格となる構造は外観や設備にも大きく影響するため、建築を設計をする上で構造を考えることが重要だ。

一つの建築ができるまで

主なプロセス

企画 計画 基本設計 実施設計 施工

設計者の立場

依頼主 施工業者 設計者

意匠性 安全性 快適性

構造家って?

建築家との対話をしながらシステムを検討する。

話の中から生まれる構造のアイディアから、建築家のイメージが出来上がることもある。

「構造家」と「建築家」の協働

日本の有名建築には必ず、構造と建築家の協働が存在する。自然災害 の多い日本では、建築に対する構造デザインは重要で、構造家の役割は高い。
構造家と建築家の協働は様々だが、1950年代~現在に至るまで脈々と受け継がれていまる。

構造の主な種別

木造

S造 鉄骨造

RC造 鉄筋で補強されたコンクリート造

SRC造 鉄骨・鉄筋コンクリート造

組積造 レンガ造 ヨーロッパに多い

構造の形式

ラーメン 柱と梁が剛接合で一体化したもの。最も一般的。

トラス  部材を三角形になるようにピン接合で組み立てる。

ブレース 筋交いと呼ばれる斜めの部材。

シェル 「貝殻」の意味を持つ薄い曲面板の形式。

地震にどう対応する?

耐震 制震 免震