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隈研吾最終講義 第10回 コンピュテーショナルデザインとクラフト

コロナのためズームによるオンラインで開催

■開催日時
2020年7月18日(土)17:00〜19:30
■テーマ
コンピュテーショナルデザインとクラフト
■登壇者
マリオ・カルポ(建築史家、ロンドン大学バートレット建築スクール教授)
廣瀬通孝(VR研究者、東京大学名誉教授)
隈研吾(東京大学特別教授、名誉教授)
■言語
英語・日本語(英日同時通訳あり)

事前に名前、メールアドレス、所属を登録する。

講義開始の1時間前にZoomのアドレスが届いた。

[aside type="normal"]3月14日に開催を予定の講義第10回は、新型コロナウイルスの感染拡大のため開催延期した。[/aside]

※本記事は広告を含みます。掲載しているリンクはアフィリエイトリンクです。内容は独自の基準で作成しています。
目次

隈研吾の講演

講演者のマリオカルポと廣瀬通孝(中学1年からの友人)を紹介。

イントロダクションとしてコンピューテショナルデザインによる自分の作品を説明した。

第1フェーズのグニャグニャしたデザインは馴染めなかった。

90年代に廣瀬通孝と愛知万博でパビリオンのない会場構成を提案したが2005年では採用されなかった。

第2フェーズでStone Museumを2人の職人と4年ががかりで完成させた。

グラスホッパーを使い木材の建築を多く手掛けた。

[aside type="normal"]グラスホッパー(Grasshopper):3D形状をアルゴリズム生成して検証するグラフィカルエディター[/aside]

マリオ・カルポの講演

マリオ・カルポがロンドンから遠隔講演した。

中世には設計者は存在せず職人のみで建築は造られた。

1940年に活版印刷が発明されて産業革命が進行した。
近代は同じ形のものが大量生産されて地球全体に行きわたるようになった。

建築は設計者と作る人に分けられ現在に至る。
設計者は知的なエンジニア。造る人は愚鈍な作業をして設計通りにする。

コンピュータは3Dプリンタで別々のものを作ってもコストは変わらない。

ロボットアームは異なった形の製品を作り、職人芸をこなせる。近代で失った人間らしさを取り戻せる。

1905年鉄筋コンクリートが使われるようになったが、近代の思想にマッチした材料だった。これからも使い続けるのは環境的にも問題がある。

コロナ禍でこれからは人を疎外しない建築。職人とインターネットが唯一未来を拓くだろう。

廣瀬通孝の講演

次に、隈研吾の隣に座る廣瀬通孝が講演した。

最初マイクの調子が悪く、よく聴きとれなかった。

バーチャルな世界は、複素数の虚数部のようなものだ。

[box class="blue_box" title="複素数"]z=x+ yi[/box]

よりリアルで自然な情報通信の実現を追求するとともに、ヒトの感性に訴えかけるテクノロジーの創出。

ヒトの行動を誘発するメディア技術、実空間とメディア情報の融合を図るVR/AR技術、ヒトの快適・共感を生み出す人工知能など、ヒトの感性を創発し、ヒトのポテンシャルを引き出すインタラクティブな技術を実現していく。

コロナと建築の討論

隈:コロナの影響でこれまでビルや電車の「箱から出て」、違う豊かさを求める時代になる。

隈:これまでの都市はゾーニングされていたので交通機関を使って移動しなければならなかった。

マリオ:コロナ下でビルは空だったが、都市は機能していた。

隈:日本の住宅の内部と外部の間にある縁側や庇などがこれから見直される。

隈:スクラップ・アンド・ビルドといった近代的な発想を止めて、使い続けた方が良い。

廣瀬:それはアジャイルと共通した発想だ。

マリオ:コロナ下では、農業、インフラは変わらず動いていた。止まったのは、工場、空港だ。近代の大量生産から必要な物を必要なだけ作る方向に向かう。

マリオ:これからはロボット、3Dプリンター、自転車がOKだろう。

廣瀬:ゾーニングは近代の発想である。図書館も分類ごとに陳列しているが、これからはバラバラに返却、配置できる。

マリオ:それはコンピュータのソーティングからサーチ(検索)技術を使えば確かに可能だ。

隈:小さいユニットでは足し算ができる緩さがある。足し算的方法はメタボリズムでもやっていたが、ユニットが大きすぎた。

廣瀬:近代の標準化された製品から個性を重視した多様な製品が求められるだろう。個性化が進むとエントロピーは大きくなる。

隈:粒子にはヒエラルキーがある。粒子の角度、大きさを変えてデザインできる。

マリオ:ヨーロッパは中世の建物が残っていて、これらを保存して使い続けるのが望ましい。

隈:ヨーロッパの都市は前近代の街並みが残っていて再活用しやすい。日本では近代的な家を元に戻す。

廣瀬:コロナの巣ごもりでバーチャル技術が発展するだろう。バーチャルの装置がに車に変わる。

マリオ:鉄筋コンクリート造はフレキシビリティがない。近代の典型だ。木造、金属の方がコンピューテショナルデザイン時代の材料だ。

隈:近代建築は材料が苦手だった。3人とも子供時代の体験がベースにある。

廣瀬:バーチャルの旅行は可能性が高い。タモリ俱楽部のグーテツ(グーグルマップの写真上の鉄道写真)が人気だ。

隈:グラスホッパーは当初設計の合理化のために導入したが、使っていくうちに新しいアイデアをもたらしてくれた。

まとめ

女子学生から隈教授に花束が贈呈された。

隈:この大人数のリモート講義をコントロールしたスタッフに感謝します。

コロナの時期に明るいコメントが出てうれしかった。

10年間務めた教授生活は終わりますが、東京大学に新設した「セキスイハウスークマラボ」で、デジタルテクノロジーを用いた建築設計を中心とした教育活動を継続します。

[btn class="simple"]国際建築教育拠点(SEKISUI HOUSE - KUMA LAB)[/btn]

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